でも しかし 使い分け 違い 意味

会話や文章の中で「でも」と「しかし」という言葉をよく使いますが、その違いを正しく理解していますか?どちらも「逆接」を表す接続詞ですが、その使い方には違いがあります。

また、両者は日本語だけでなく英語訳においても使い分けが求められます。本記事では、「でも」と「しかし」の違いを、例文を交えながら詳しく解説していきます。

「でも」の意味

 

でも」は、主に日常会話でよく使われる接続詞の一つで、前の内容を受けて、それと反対のことや例外を述べる際に用いられます。

主にカジュアルな場面で使われることが多く、話し言葉として特に親しまれています。

「でも」の特徴は、柔らかい印象を与え、前の内容を完全に否定するのではなく、「そうは言っても~」という形で補足的なニュアンスを加える点です。会話の流れを壊さずに、意見の対立を緩和する役割を果たします。

また、「でも」は接続詞だけでなく、副詞としても使われ、「それでも」「たとえ~でも」といった形で逆接の意味を持つこともあります。

「でも」の例文

  1. 明日は雨の予報ですね。でも、ピクニックは予定通り決行しましょう。
  2. このケーキは少し甘すぎる。でも、美味しいね。
  3. 一生懸命勉強した。でも、試験の結果はあまり良くなかった。
  4. 彼はあまりスポーツが得意じゃない。でも、サッカーだけは好きみたいだ。
  5. 「疲れた?」 「うん。でも、もう少し頑張るよ。」

「しかし」の意味

 

しかし」は、主に書き言葉で用いられる逆接の接続詞です。「しかし」を使うことで、前の文の内容と対比的なことを明確に述べることができます。

「しかし」の特徴は、論理的な説明を伴うことが多く、文章全体を引き締める効果がある点です。特に、論文やビジネス文書などの形式的な場面において、前の内容を強く否定する際によく用いられます。

また、口語でも使われますが、その場合はやや堅い印象を与えるため、フォーマルな場面の方が適しています。

「しかし」の例文

  1. 彼は努力を惜しまなかった。しかし、結果は思うようにはいかなかった。
  2. この映画は批評家から高く評価された。しかし、観客の評価はあまり良くなかった。
  3. 交通渋滞は予想されていた。しかし、想像以上にひどかった。
  4. この方法は確かに有効だ。しかし、コストがかかりすぎるという欠点がある。
  5. 「試験の準備はした?」 「うん。しかし、自信はあまりない。」

「でも」と「しかし」の違い

でも しかし 使い分け

「でも」と「しかし」の違いは、以下のように比較することができます。

項目 でも しかし
使われる場面 日常会話、カジュアルな文章 フォーマルな文章
ニュアンス 柔らかく、話し言葉向き 堅い印象、論理的な説明向き
否定の強さ やや弱い 強めの対比を示す
位置 文頭や文中で使いやすい 主に文頭で使われる

「でも」は話し言葉としてよく使われ、ややカジュアルな印象があります。前の内容を否定するのではなく、一部を認めつつ新たな視点を加える役割を持ちます。

たとえば、「この服は高い。でも、とても質が良い。」のように、前の事実を受け入れながら別の要素を提示します。

一方、「しかし」は書き言葉で使われることが多く、論理的でかたい印象があります。前の内容を明確に否定・対立させる場合に適しており、主に説明文や論文などで用いられます。

「この服は高い。しかし、価格に見合った品質ではない。」のように、前後の内容が強く対立する場合に使われます。

このように、「でも」は口語的で柔らかく、「しかし」は文語的で論理的な印象を与えるため、場面に応じて使い分けることが大切です。

「でも」と「しかし」の使い分け

 

「でも」と「しかし」を適切に使い分けるには、以下の点を意識すると良いでしょう。

  1. 話し言葉か書き言葉か
    • 「でも」→ 日常会話やカジュアルな文章
    • 「しかし」→ フォーマルな文書や論理的な説明
  2. 否定の強さ
    • 「でも」→ 軽い逆接
    • 「しかし」→ 強い逆接
  3. 相手に与える印象
    • 「でも」→ 柔らかく、親しみやすい
    • 「しかし」→ かたく、論理的

例えば、友人と話すときに「しかし」を使うと、少し堅苦しい印象を与えてしまうことがあります。一方で、ビジネスメールや報告書で「でも」を使うと、カジュアルすぎて適切でない場合があります。状況によって、どちらを使うと違和感がないかを意識する必要があります。

「でも」と「しかし」の英語訳の違い

 

でも」に相当する英語は、“but”“though” などが一般的です。カジュアルな会話でよく使われ、話の流れを少し変えるようなニュアンスを持ちます。

【例文】⇒“It’s expensive. But it’s really good quality.”(高い。でも、とても質が良い。)

このように、前の内容をやわらかく補足する役割を果たします。

しかし」は、よりフォーマルな表現であり、“however”“nevertheless” が適しています。「しかし」は論理的な文章や書き言葉で使われるため、ビジネスや学術的な場面に適しています。

【例文】⇒“It’s expensive. However, it’s not worth the price.”(高い。しかし、価格に見合った品質ではない。)

このように、前の内容と強く対比させる場合に使われます。

「でも」は日常会話向きで、「しかし」はフォーマルな場面向きと考えると、英語でも同様の使い分けが可能です。

まとめ

 

今回は、「でも」と「しかし」の違いについて解説しました。両者はどちらも逆接を表す接続詞ですが、使われる場面やニュアンスが異なります。

「でも」は日常会話向きで柔らかい印象を与え、「しかし」はフォーマルな場面で論理的な説明に適しています。

適切に使い分けることで、相手に伝えたい内容がより明確になります。日常会話や文章などにおいて、これらの違いを意識してみてください。