「以後」と「以降」の使い分けは?違いや意味を解説

「以後」と「以降」は、どちらも「ある時点より後」を意味する言葉です。しかし、いざ文章を書く時にどちらを使えばよいのか疑問に思う場面も多いです。

特に、ビジネスシーンや公式な文章では、どのように使い分ければよいかが分かりにくいです。そこで本記事では、それぞれの意味の違いを詳しく解説していきます。

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目次

「以後」の意味

 

以後(いご)」とは、ある出来事や時点を基準として「その後の状態が続くこと」や「未来の変化」を示す言葉です。

特に、「ある出来事が起こった後、それが影響を及ぼすこと」に重点が置かれます。

「以後」の特徴

  1. 出来事を基準にする
    • 例:「この出来事以後、彼の態度が変わった」
    • → 何かをきっかけに、その後の状態が変化することを表す。
  2. 未来への継続を示す
    • 例:「以後、気をつけます」
    • → これから先の行動や意識の変化を表す。
  3. 過去にも使える
    • 例:「事故以後、彼は車を運転しなくなった」
    • → 過去の出来事を基準に、その後の影響が続いていることを示す。

「以後」の語源

「以」は「〜を基準にする」、「後」は「あと、のち」という意味を持ちます。つまり、「以後」は「ある基準となる時点や出来事の後に続く状態」を意味します。

「以後」の例文

  • 試験に合格した以後、彼の態度が変わった。
  • 今回のミスを反省し、以後は慎重に行動する。
  • その事件以後、町の雰囲気が変わってしまった。
  • 転職して以後、毎日が充実している。
  • 彼と会ったのは去年の冬以後、一度もない。
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「以降」の意味

 

以降(いこう)」とは、特定の時点を基準にして「それより後の時間の範囲」を指す言葉です。

特に、日時や時間を示す際に使われることが多く、特定の瞬間ではなく、その後の時間の広がりを強調します。

「以降」の特徴

  1. 時刻や日付と組み合わせることが多い
    • 例:「10時以降に集合してください」
    • → 10時を含め、それより後の時間帯を指す。
  2. 歴史的な区切りを表す場合にも使う
    • 例:「明治以降の文学」
    • → 明治時代を基準に、それより後の時代全体を指す。
  3. 「以後」と違い、出来事の影響は含まれない
    • 例:「4月1日以降に会議を開催する」
    • → 4月1日より後の日程で行う、という単なる時間指定を意味する。

「以降」の語源

「以」は「〜を基準にする」、「降」は「おりる、あと」を意味します。この事から、「以降」は「ある基準の時点から下るように続く時間」というニュアンスを持ちます。

「以降」の例文

  1. このサービスは4月1日以降に開始されます。
  2. 18時以降の電話は控えてください。
  3. この機能はアップデート以降に追加される予定です。
  4. 平日以降は、混雑が予想されます。
  5. 江戸時代以降、日本の文化は大きく変わった。
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「以後」と「以降」の違い

以後 以降 使い分け 違い

「以後」と「以降」の違いを表にまとめると、以下のようになります。

以後 以降
意味 出来事を基準にした「その後の状態や変化」 時点を基準にした「それより後の時間の範囲」
主な使い方 未来への決意や、過去を基準にした状態変化 時刻や日付を基準に、それ以降の時間を指す
例文 これ以後、注意します 10時以降に集合してください
過去にも使えるか 使える(例:事故以後) あまり使わない(※「明治以降」など限定的)

「以後」は、ある出来事を基準にした「その後の状態」や「今後の変化」に焦点を当てます。たとえば、「これ以後、遅刻しません」という場合は、今後ずっと遅刻しないという意思を示します。

また、「事故以後、体調が優れない」のように、過去の出来事を基準にして、その後の状況が続いていることを表す場合もあります。

対して、「以降」は、ある時点を基準にした「時間の範囲」を表します。たとえば、「会議は10時以降に行います」という場合は、10時より後のどこかの時間に行われることを意味します。

また、「明治以降の文学」のように、歴史的な区切りを示す際にも使われます。

このように、「以後」は出来事を基準にした変化や継続を示し、「以降」は特定の時点を基準に、それより後の時間の範囲を示すという違いがあります。文脈によって適切に使い分けることが大切です。

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「以後」と「以降」の使い分け

 

「以後」と「以降」の使い分けは、以下のように行うとよいです。

① 出来事の影響が続く場合 → 「以後」を使う

「以後」は、ある出来事を基準にして「その後の状態が変化すること」や「影響が続くこと」を表します。単なる時間の区切りではなく、意識や状況の変化が含まれる場合に適しています。

例:

  • 今回のミス以後、十分に注意します。(→ ミスをきっかけに態度が変わる)
  • 事故以後、彼は車を運転しなくなった。(→ 事故が原因で行動が変化)
  • 転職して以後、充実した毎日を送っている。(→ 転職がきっかけで生活が変化)

② 単なる時点より後を示す場合 → 「以降」を使う

「以降」は、特定の時間や日付を基準に、それより後の時間範囲を指します。出来事の影響や変化を含まず、単なる時間の区切りを表す場合に適しています。

例:

  • 4月1日以降に会議を開催します。(→ 4月1日より後の任意の日時)
  • 10時以降に集合してください。(→ 10時より後の時間であればOK)
  • 明治以降の文学について学ぶ。(→ 明治時代より後の時代の全体)

「以後」は過去・未来両方OK、「以降」は未来向け

「以後」は、過去の出来事を基準にした影響にも使えますが、「以降」は未来の時間の広がりを指すため、過去の出来事にはあまり使われません。

例:

  • (過去)あの事件以後、彼は変わった。(→ 過去の影響が続く)
  • (未来)これ以後、間違えないようにします。(→ 未来への誓い)
  • (未来)このサービスは4月1日以降に開始されます。(→ 単なる時間の指定)

結論

  • 出来事を基準に、それが影響を与える場合 → 「以後」
  • 特定の時点より後の時間を指す場合 → 「以降」
  • 過去の出来事に使えるのは「以後」、未来の時間範囲は「以降」

まとめ

 

今回は、「以後」と「以降」の違いを解説しました。

「以後」は出来事を基準とした継続的な変化や影響を示し、「以降」は時点を基準にした時間の範囲を示します。特に、時刻や日付を示すときは「以降」を使い、出来事に基づく変化を示すときは「以後」を使うのが適切です。

意味の違いを理解して、正しく使い分けるようにしましょう。

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この記事を書いた人

大学卒業後、出版会社へと就職。退職後はフリーライターとして独立し、現在は言葉の意味や違いなど、日々の生活やビジネスに役立つ情報を発信しています。皆さんに「なるほど」と思ってもらえる内容をお届けすることを心がけています。

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