「お詫び申し上げます」 意味 使い方 メール 例文

ビジネスで失礼や迷惑をかけたときに使う謝罪表現の一つが「お詫び申し上げます」です。この言葉は、特にメール文などで丁寧な謝罪を伝える際に適しています。

しかし、使い方を誤ると逆に失礼になったり、意図が正しく伝わらなかったりすることがあります。本記事では、「お詫び申し上げます」の意味や正しい使い方、注意点について、具体例を交えて解説します。

「お詫び申し上げます」の意味

 

お詫び申し上げます」とは、非常に丁寧な謝罪表現で、相手に対する深い敬意と謝罪の気持ちを込めた言い回しです。

「お詫び」は、「詫びる」の名詞形で、謝罪や謝る行為そのものを指します。また、「申し上げます」は「言う」の謙譲語で、自分の行為をへりくだって表現しています。

両者を合わせることで、単に謝罪するだけでなく、相手に対してへりくだった態度を示すことができます。

「お詫び申し上げます」は、相手との関係性を良好に保つために非常に使いやすい表現です。特に、企業が顧客や取引先との間で信頼関係を回復させるためには欠かせない表現だと言えます。

「お詫び申し上げます」の使い方・例文

 

「お詫び申し上げます」は、具体的な状況に応じて使うことで、より誠意が伝わる表現になります。以下に、さまざまな場面での具体例を紹介します。

【例文1】ビジネスシーンでの謝罪

「先日の会議での発言が不適切であったこと、心よりお詫び申し上げます。今後このようなことがないように注意いたします。」
→ 上司や取引先に対して、発言のミスについて丁寧に謝罪する例です。

【例文2】お客様対応での謝罪

「商品の配送遅延により、お客様に多大なるご迷惑をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます。」
→ 顧客サービスにおける謝罪で、迷惑をかけた具体的な内容を示しています。

【例文3】公式声明での謝罪

「今回の不具合により、ユーザーの皆様に多大なるご不便をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます。」
→ 企業や団体が公式に謝罪する際に適した例です。

【例文4】イベントの中止連絡

「悪天候により、予定していたイベントを中止せざるを得なくなりましたことを、深くお詫び申し上げます。」
→ 不可抗力による変更でも、丁寧な謝罪が必要な場合の例です。

【例文5】メールや手紙での謝罪

「このたびの不注意により、貴社にご迷惑をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます。再発防止に努める所存です。」
→ 文書での謝罪で、今後の対策についても触れる例です。

【例文6】軽いミスへの謝罪

「事務処理のミスにより、申請が遅れましたことをお詫び申し上げます。」
→ 小さなミスでも丁寧な対応をすることが重要です。

「お詫び申し上げます」をメール文で使う時の注意点

 

「お詫び申し上げます」をメール文で使う際には、相手に誠意を伝えながら、失礼のない適切な表現を心がけることが大切です。以下に注意点を詳しく解説します。

1. 具体的な状況を述べる

「お詫び申し上げます」だけでは、謝罪の意図が抽象的になり、誠意が伝わりにくいことがあります。どのような事態に対して謝罪しているのか、具体的に明記することで相手に納得してもらいやすくなります。

  • 悪い例(×): 「ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。」
  • 良い例(〇): 「納品が予定より遅れ、お客様にご不便をおかけしましたことをお詫び申し上げます。」

2. 誠意を強調するための工夫

「心より」「深く」などの言葉を添えると、謝罪の気持ちがより強調され、相手への配慮が伝わります。ただし、乱用すると冗長になり逆効果なので、バランスを取ることが重要です。

例文:「このたびの不手際により、ご不快な思いをさせてしまいましたこと、心よりお詫び申し上げます。」

3. 解決策や今後の対策を伝える

単なる謝罪にとどまらず、問題解決や再発防止への取り組みを伝えると、相手に信頼を取り戻すきっかけを与えることができます。

例文:「今回のミスを真摯に受け止め、社内での確認プロセスを見直し、再発防止に努める所存です。」

4. 過剰な責任転嫁を避ける

謝罪する際に、他者や状況に責任を押し付けるような表現は避けましょう。例え不可抗力であっても、自分たちの責任を明確にすることが重要です。

悪い例(×):「天候の影響で配送が遅れましたのでご了承ください。」
良い例(〇):「悪天候の影響により配送が遅れ、ご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。」

5. 堅苦しすぎない表現を選ぶ

相手や場面に応じて、「お詫び申し上げます」が必要以上に堅苦しくならないようにすることも大切です。カジュアルな取引先や日常的なやり取りでは「申し訳ありません」の方が適している場合もあります。

フォーマルな場合:「このたびの件で多大なるご迷惑をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます。」

カジュアルな場合:「今回のミスによりご迷惑をおかけし、大変申し訳ございません。」

「お詫びしたいと思います」は誤り?

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「お詫びしたいと思います」という表現は、一見丁寧なように見えますが、実際には謝罪の意思を示しているだけで、「謝ってない」という印象を与えます。そのため、相手によっては「本気で謝罪しているのか?」と不信感を抱かせる可能性があります。

全くの誤りというわけではありませんが、使うのは避けておいた方が無難です。例えば、以下のような場面があったとします。

  • A「失敗の責任どうしてくれるの?」
  • B「お詫びいたします」
  • A「とても迷惑がかかったんですよ」
  • B「お詫びいたします」
  • A「今後気を付けて下さいよ」
  • B「お詫びいたします」

この場合、Bの反応がずっと単調なので「話を聞いていない」「同じ言葉を繰り返している」という印象を与え、不快な印象を与えてしまう可能性があります。

そこで、謝罪する側は言い回しを変えたりします。まずは「お詫びします」、次に「心からお詫びいたします」、そして「お詫びしたいと思います」といった流れです。

「お詫びします」に「お詫びしたいと思います」を付ければ、違う言い回しになるというわけです。

さらに、「~と考えております」を付けて、「お詫びしたいと考えております」や「~と深く感じております」を付けて「お詫びしたいと深く感じております」といった言い回しをしたりもします。

このような形に変えるのは、言い切りの形がぶっきらぼうでぎこちなく聞こえることもあるので、語尾を和らげてそれを避けるために行っているという理由です。

しかし、本来、「~したい」は願望を表し、「~思う」は推測や不確実さを表す言葉なので、二つを組み合わせた「~したいと思います」を多用したり、言い切れる状況で使ったりすると、耳障りに感じる人も多いです。

したがって、基本的には「お詫びしたいと思います」は避けるべき表現だと言えます。

「お詫び申し上げます」の類義語

 

「お詫び申し上げます」に似た表現で、謝罪をより的確に伝えるための言葉を紹介します。

1. 「申し訳ございません」

  • 最も一般的で、フォーマルからカジュアルまで幅広く使えます。

2. 「お許しください」

失礼や迷惑をかけた際に、許しを求めるニュアンスを含む表現。

2. 「心よりお詫び申し上げます」

  • 「お詫び申し上げます」をさらに丁寧にした言い方です。

3. 「ご迷惑をおかけしましたこと、深くお詫び申し上げます」

  • 迷惑をかけた事実を具体的に述べることで、より誠意が伝わります。

4. 「伏(ふ)してお詫び申し上げます」

  • 非常に深い謝罪の意を込めた表現で、重い失態や過失の際に使用します。

まとめ

 

「お詫び申し上げます」は、フォーマルな場面で使える非常に丁寧な謝罪表現です。正しく使うためには、理由を明確に述べ、相手に誠意を伝えることが重要です。

場面によっては「申し訳ございません」や「ご迷惑をおかけしました」などの表現を使い分けると、謝罪の場面での選択肢が広がります。「お詫びしたいと思います」などの誤用に注意しながら、状況に応じて適切な言葉を選ぶようにしましょう。