「自分」と「自身」の違いとは?意味と使い分けを解説

普段の文章でよく目にする「自分」と「自身」という言葉。何となく使われていますが、実は使い分けに微妙なルールがあるのをご存じでしょうか?

どちらも似たような文脈で使われており、違いが分かりにくいという声も少なくありません。本記事では、それぞれの意味の違いをわかりやすく解説していきます。

スポンサーリンク
目次

「自分」の意味

 

自分」とは、話し手や書き手自身を指す一人称の代名詞です。ただし、文脈や地域によっては、二人称(あなた)や三人称(彼・彼女)として使われることもあります。

例えば、関西地方では「自分=あなた」として使われることがあり、「自分、どこ行くん?」のように相手を指す表現が見られます。

また、軍隊や警察などの組織内では、改まった場面での一人称として用いられることもあります。さらに、「自分の考え」「自分の体」などのように、何かを所有する形でも使われ、物事や感情を表す際にも活用されます。

このように、「自分」は非常に汎用性の高い語であり、日常会話からビジネス文書まで幅広い場面で使われています。

「自分」の例文

  1. 自分は、このプロジェクトに全力で取り組んでいます。
  2. 自分の意見を言う前に、相手の話をよく聞くことが大切です。
  3. 自分では普通だと思っていたけれど、他人からは変わっていると言われた。
  4. 自分の成長のために、新しいことに挑戦するようにしている。
  5. 自分のことを信じて前に進むしかないと思っています。
スポンサーリンク

「自身」の意味

 

自身」とは、「その人本人であること」や「自ら」という意味を強調する語です。

単独で使うこともありますが、通常は他の名詞と複合して「〇〇自身」の形で使われます。たとえば、「彼自身が決めた」「彼女自身の力で挑戦する」といった文に見られます。

「自分」と違って、文法的な役割よりも語意の強調が主な働きであり、「誰がそうしたのか」「その行動は本人のものである」などの点を明確にしたいときに効果的です。

また、「自身」は抽象的な行動や判断を示す文脈でよく用いられるため、文章を引き締める効果もあります。

「自身」の例文

  1. 彼は、自身の過ちを素直に認めた。
  2. この決定は、私自身が責任を持って下したものです。
  3. 社長自身が説明したことで、社員の納得感が高まった。
  4. 被害者自身が、その場にいなかったことが幸いだった。
  5. 自身の健康を守ることは、家族にとっても重要です。
スポンサーリンク

「自分」と「自身」の違い

自分 自身 違い

「自分」と「自身」の違いは、次のように整理することができます。

項目 自分 自身
意味 話し手・書き手自身、またはその人 「その人自身」や「本人」であることの強調
用法 一人称・所有・主語・目的語など広く使える 強調語として「自分自身」「本人自身」などに使う
ニュアンス 一般的・柔らかめ 明確・強調的
例文 自分は教師です/自分の考え 社長自身が発言した/自分自身を見直す

「自分」と「自身」はどちらも「自らを指す言葉」ですが、意味や使い方に微妙な違いがあります。

「自分」は、話し手・書き手自身を指す一人称として使われることが多く、文脈によっては二人称や三人称としても用いられます。

たとえば、「自分は学生です」というように主語として使うことができます。また、「自分の意見」「自分でやる」のように、所有や動作主を表す用法もあります。

一方、「自身」は「そのもの」「本人」という強調の意味を持ち、「自分自身」「本人自身」などと重ねて使うことで、他者ではないことを強調します。

「社長自身が説明した」「自分自身を見つめ直す」のように、主語を強調するために使われることが多いです。

つまり、「自分」は一般的な代名詞的表現、「自身」はその対象を明確にし、強調する働きを持つ語といえるでしょう。

スポンサーリンク

「自分」と「自身」の使い分け

 

「自分」と「自身」を正しく使い分けるためには、それぞれの文脈における意図を理解することが重要です。以下に、よくある場面ごとの使い分け例を紹介します。

① 動作主や責任を明確にしたい場合 ⇒「自身」

例えば、「問題を解決するのは自身の責任だ」と言えば、「誰が責任を負うのか」を強調することができます。

② 話し手としての本人を示す場合 ⇒「自分」

会話や自己紹介では、「自分は〇〇と申します」などが自然です。「自身」はここでは不自然になります。

③ 本人の考えや所有物を表すとき ⇒「自分」

「自分の考え」「自分の計画」など、対象や所有を示す場合には「自分」がふさわしい表現です。

④ 本人であることを強く示したいとき ⇒「自身」

「社長自身が出席した」のように、「他の誰でもなくその人自身」であることを強調したい場合には「自身」を使います。

⑤ 文章を引き締めたい・フォーマルに表現したいとき ⇒「自身」

「自身の判断で行動する」は、「自分の判断で行動する」よりも引き締まった印象を与えます。そのため、フォーマルな文書においては「自身」の方が好まれます。

ポイントとしては、「自分」は柔らかく汎用性が高い一方、「自身」は文脈や目的に応じた強調を加える言葉である点を意識しましょう。特にビジネス文書では「自身」の方が適切な場合も多く、場面に応じて選ぶ必要があります。

まとめ

 

本記事では、「自分」と「自身」の違いを解説しました。

どちらも一人称を指す言葉ではありますが、使われる文脈には明確な違いがあります。「自分」は日常的で柔らかい表現、「自身」は強調する際やフォーマルな文体に向いています。

適切な使い分けをすることで、文章や会話の表現力が高まり、誤解を避けることにつながるでしょう。

この記事を読んだ後は、以下の関連記事もおすすめです。

「自分」と「自己」の違いとは?意味と使い分けを解説

この記事を書いた人

大学卒業後、出版会社へと就職。退職後はフリーライターとして独立し、現在は言葉の意味や違いなど、日々の生活やビジネスに役立つ情報を発信しています。皆さんに「なるほど」と思ってもらえる内容をお届けすることを心がけています。

目次