掲示 表示 違い 意味 使い分け

日常生活の中でよく見かける「お知らせ」や「案内」。それらには、「掲示」や「表示」といった言葉が使われています。

しかし、この2つの言葉は意味が似ていているため、使い分けが難しいと感じる場面が多いです。そこで本記事では、「掲示」と「表示」の意味の違いをわかりやすく解説していきます。

「掲示」の意味

 

掲示(けいじ)」とは、文書や案内などの内容を紙や掲示板に貼り出して、人に知らせることを指します。

この言葉には、公的な場面や公式な情報の告知といったニュアンスが含まれます。

たとえば、学校の掲示板に貼られる行事予定や、役所の入口に掲示される案内文、企業内の通達などがその典型です。

掲示される内容は、多くの場合が長文であり、ある程度の文章量を通して詳細な情報を伝えることが目的です。そのため、「掲示」は特定の範囲に属する人々に対して、やや改まった方法で情報を伝える場面に用いられます。

また、「掲示物」「掲示板」といった形で使われることも多く、目立つ場所に貼るという点が重要な要素となります。

「掲示」の例文

  1. 学校では、行事の予定が毎月掲示されている。
  2. 会社の食堂に、今月のメニュー表が掲示されていた。
  3. 公園に「ゴミは持ち帰りましょう」と掲示されていた。
  4. 掲示板に、新しい人事異動の内容が書かれていた。
  5. 市役所の入口に、災害時の避難場所についての案内が掲示されていた。

「表示」の意味

 

表示(ひょうじ)」とは、情報や数値、記号などを目に見える形で示すことを意味します。

たとえば、道路標識、商品の価格ラベル、電化製品の画面に表示される数値など、さまざまな場面で使われています。

表示される内容は、文字だけでなく、数字やマーク、図なども含まれ、視覚的にすばやく理解できるのが特徴です。

また、「表示」は状況や状態を伝える目的でも用いられます。たとえば、スマートフォンの電池残量や交通信号の色などがその例です。

「表示」は日常生活の中で公的・私的を問わず幅広く使われており、情報を簡潔に、瞬時に伝えることを目的としています。この点が、掲示板などに文章で示す「掲示」との大きな違いです。

「表示」の例文

  1. 冷蔵庫の温度が、パネルに数字で表示されている。
  2. 駅の案内板に、次の電車の発車時刻が表示された。
  3. パソコンの画面に、エラーメッセージが表示された。
  4. 商品のパッケージに、原材料と賞味期限が表示されている。
  5. スマートフォンに、バッテリーの残量がパーセントで表示された。

「掲示」と「表示」の違い

掲示 表示 違い

「掲示」と「表示」の違いは、次のように整理することができます。

項目 掲示 表示
意味 文書やお知らせを掲げること 情報や状態を視覚的に示すこと
用途 公的なお知らせ、案内など 数値、マーク、状態の表示
使用場面 学校、役所、会社など 店舗、機器、画面など
内容の傾向 長文、文書形式 簡潔な情報、記号や数値
一時性・恒常性 一定期間掲示されることが多い 状況に応じて変化することが多い

「掲示」は、紙や掲示板などに文書やお知らせを貼り、不特定多数の人に伝えることを指します。

主に学校、役所、会社などで使われ、公的・公式なニュアンスがあります。内容は、予定表や注意事項、案内など、比較的長文になることが多いです。

一方、「表示」とは、情報・内容・状態などを見えるようにすることを意味します。看板や電光掲示板、画面上のマークなど、視覚的に情報を示す手段です。

主に、「価格を表示する」「残量を表示する」など、数値や記号、簡潔な情報が対象になることが多く、日常生活のあらゆる場面で使われます。

このように、「掲示」は「掲げて知らせる」、「表示」は「見える形で示す」という点で明確な違いがあります。

「掲示」と「表示」の使い分け

 

それでは、具体的にどのように「掲示」と「表示」を使い分ければよいのでしょうか。以下のように、場面ごとに整理します。

①公的な内容を紙や掲示板に知らせたい場合 ⇒ 「掲示」

公式なお知らせや注意事項を、不特定多数に見せるために貼り出すときは「掲示」を使います。たとえば、学校で生徒に向けて試験日程を知らせる際には「掲示」が適しています。

②数値や状態、マークなどを画面や看板で伝える場合 ⇒ 「表示」

電化製品のパネル、交通表示板、価格タグなど、視覚的な簡潔さが求められるときには「表示」が適しています。たとえば、電車の発車時刻をホームのモニターに映すときは「表示」です。

③文章よりも、瞬時に意味が伝わる形式で示す場合 ⇒ 「表示」

数秒で情報を理解してもらいたいときは「表示」のほうが自然です。道路標識や警告ラベルなど、目に入ってすぐ伝わることが重視されます。

それぞれの言葉には明確な場面があり、「表示」の方がより広い分野で使われる傾向があります。特にデジタル化が進む中で「表示」の使用頻度は増えていますが、公的機関や教育現場では今も「掲示」が重視されています。

まとめ

 

本記事では、「掲示」と「表示」の違いを解説しました。どちらも「情報を伝える」という目的は共通していますが、手段や内容、使用される場面に大きな違いがあります。

文章で告知する場合は「掲示」、記号や数字など視覚的に示す場合は「表示」と覚えておくと、実務でも役立ちます。正しく使い分けることで、相手に誤解なく情報を伝えることができるでしょう。

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