記述 記載 違い 意味 使い分け

「記述」と「記載」は、ビジネスシーンでよく使われる言葉です。特に、文章や書類を作成する場面で目にすることが多いでしょう。

しかし、その違いを説明しようとすると意外と難しく感じるものです。本記事では、それぞれの意味や使い分けをわかりやすく解説します。

「記述」の意味

 

記述」とは、物事の内容を、文章や図によって具体的に書き表すことを意味します。

単に事実を並べるのではなく、理由や背景も交えて、読み手に伝わるように工夫して表現する点が特徴です。

たとえば、調査報告書では、観察した内容を分析し、それを自分の言葉で整理してまとめる必要があります。この過程では、書き手の理解や意図が自然と反映されます。

また、学校の記述式問題では、問いに対して自分の考えを筋道立てて説明する力が求められます。このように「記述」とは、単なる情報の整理ではなく、書き手による主体的な表現が重視される言葉です。

「記述」の例文

  1. 彼は、旅行中に見た景色の美しさを日記に詳しく記述した。
  2. 先生は、実験の方法と結果をレポートに正確に記述するよう指示した。
  3. 学生たちは、授業で学んだ内容をまとめて記述する課題に取り組んだ。
  4. 研究者は、観察した動物の行動パターンを記述して論文にまとめた。
  5. 記者は、現地で起きた出来事を詳細に記述し、記事として発表した。

「記載」の意味

 

記載」とは、特定の書類や定められた欄に、必要な事項を正確に書き入れることを意味します。

特徴は、あらかじめ決まった形式に従って、事実を漏れなく記入する点です。

たとえば、役所の申請書では、住所や氏名、日付などを誤りなく書き入れる必要があります。

「○○に必要事項を記載してください」というように、書き手の説明や解釈は不要で、形式に沿った情報提供が求められます。

つまり、「記載」は、自由に書くのではなく、「正確性や統一性を重視した情報の記入」に焦点を当てた言葉です。

「記載」の例文

  1. 田中さんは、氏名と住所を申請書に記載した。
  2. 担当者は、契約書に必要事項をもれなく記載した。
  3. 受付で、連絡先を用紙に記載するよう求められた。
  4. 彼は、履歴書に保有資格を正確に記載した。
  5. 書類には、変更内容を記載する欄が用意されていた。

「記述」と「記載」の違い

記述 記載 違い

「記述」と「記載」の違いは、次のように整理することができます。

項目 記述 記載
意味 物事の内容を文章・図で説明する 書類や欄に必要事項を正確に書き入れる
ニュアンス 説明・描写・解釈を含むことが多い 形式に従った事実の記入
用途 レポート、論文、調査報告、解説文 契約書、申請書、公的文書
例文 調査内容を詳しく記述する 氏名と住所を用紙に記載する

「記述」とは、出来事や内容を文章や図で詳しく書き表すことを指します。自分の言葉で説明したり、状況を描写したりする際に使われ、「叙述」や「説明」に近い表現です。

たとえば、調査報告書や研究レポートでは、観察した事実を背景や経緯とともにわかりやすく伝えることが求められます。学校の「記述式問題」も、問いに対して自分の考えを文章でまとめ、説明する力が試されます。

一方、「記載」は、定められた形式や欄に必要な情報を正確に書き入れることを意味します。

主に、公的文書、契約書、申請書などで用いられ、「この欄に住所を記載してください」というように、事実を誤りなく記入する場面が中心です。ここでは、解釈や自由な表現は求められず、正確さが重要視されます。

このように、「記述」は内容を説明する表現的な書き方であり、「記載」は定型的かつ事務的な書き方という違いがあります。

「記述」と「記載」の使い分け

 

それでは、実際に両者をどのように使い分ければよいのでしょうか?以下に、場面ごとの使い分け方を簡単に示します。

①状況や内容を説明する場合⇒「記述」

報告書やレポートで分析内容を説明するときは「記述」を使います。この場合は、書き手の解釈を含め、詳細に説明することが求められます。

②決められた様式に従い情報を記入する場合⇒「記載」

契約書や申請書などで必要事項を記入するときは「記載」を使います。この場合は、定められた欄に事実を正確に書くことが重視されます。

③両方が求められる文書の場合⇒「記述」と「記載」

調査報告書や業務報告では、本文に内容を「記述」し、表紙や記録欄に必要事項を「記載」します。このように、一つの文書内で両方が併用されることもあります。

まとめ

 

本記事では、「記述」と「記載」の違いを解説しました。「記述」は内容を説明・描写すること、「記載」は決められた様式に沿って必要事項を書き入れることです。

両者は「書く」という点では共通しますが、目的や文脈によって適切に使い分ける必要があります。違いを理解することで、文書作成時に誤用を防ぎ、正確で分かりやすい表現が可能になるでしょう。

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