「内定」と「確定」は、どちらもビジネスシーンにおいて耳にする言葉です。特に、就職活動などでは使われやすい言葉です。

しかし、いざ違いを説明しようとすると迷う人も多いと思われます。そこで本記事では、「内定」と「確定」の意味の違いを分かりやすく解説していきます。

「内定」の意味

 

内定」とは、正式な決定に至る前の「仮の決定」を表す言葉です。

法律上の強い拘束力を持つことは少なく、あくまで「予定」や「一時的な合意」といった性格を持っています。

たとえば、就職活動において企業から通知される「内定」は、採用がほぼ決まった状態を意味しますが、実際に入社日を迎えて契約が成立した時に、初めて本当の決定となります。

そのため、条件を満たせなかった場合などには採用が取り消される可能性もあります。

また、日常生活でも、結婚式の日取りやイベントの開催時期を「内定」として一旦仮に決めておくことがあります。この場合も、仮の決定なので後から変更されることも当然あります。

このように、「内定」は、最終決定に至る前の「仮決定」や「予定段階」を表す言葉です。

「内定」の例文

  1. 彼は第一志望の企業から内定をもらい、春から社会人になる予定だ。
  2. 新商品の発売日は夏頃に内定しているが、正式発表はまだ先になる。
  3. 取引先との契約条件は内定しているものの、書面での確認はこれからだ。
  4. 来月の会議の日程は内定しているが、会場は調整中である。
  5. プロジェクトのリーダー人事は内定しており、近日中に社内で公表される。

「確定」の意味

 

確定」とは、物事が最終的に決まり、そこから変更ができない状態になることを指します。

就職活動や契約といったビジネスシーンだけでなく、法律や行政の分野でもよく使われます。

たとえば、「裁判の判決が確定する」と言えば、上訴できる期間が過ぎて法的に決定が動かなくなることを意味します。

また、税金に関しても「確定申告」という言葉があります。これは所得や税額を最終的に確定する手続きであり、一度確定すればその内容は原則として変更されません。

このように、「確定」は最終的かつ動かない決定を表す言葉です。

「確定」の例文

  1. 裁判の判決が確定し、被告は刑に服することになった。
  2. 彼の試合出場が確定し、チームは戦略を立て直した。
  3. 来週のイベント開催日は正式に確定したと、主催者から発表があった。
  4. 税額が確定したため、今月中に納付を済ませなければならない。
  5. 新しい会議室の利用が確定したので、社内に案内が回された。

「内定」と「確定」の違い

内定 確定 違い

「内定」と「確定」の違いは、次のように整理することができます。

項目 内定 確定
意味 仮の決定・予定 最終的な決定
ニュアンス 変更の可能性がある 動かせない、揺るがない
使われる場面 就職活動、契約前の段階、予定の調整 裁判、税務、契約成立、公式発表
例文 第一志望の企業から内定をもらった。 裁判の判決が確定した。
段階 正式決定の前段階 物事の最終段階

「内定」とは、正式な決定に至る前の仮の段階で「一応決まった」ことを意味します。多くの場合、最終的な手続きや条件を満たすことで「確定」へと移行します。

たとえば、就職活動における「内定」は、企業が採用を予定しているという意思表示であり、入社日や契約の完了をもって「確定」となります。つまり、「内定」は仮の決定・予定のニュアンスを持ち、後から変更される可能性も残されています。

一方、「確定」とは最終的に動かない決定を指します。法律上の判断、契約の成立、選挙結果などは「確定」と表現され、そこから変更されることは基本的にありません。

たとえば、税額の「確定申告」や裁判の「判決確定」のように、最終的に確定した時点で手続きや権利関係が確立します。

まとめると、「内定」は仮段階の決定、「確定」は最終的な決定と整理できます。日常的にも「内定→確定」という流れで使われることが多く、この違いを押さえておくと理解しやすいでしょう。

「内定」と「確定」の使い分け

 

それでは、実際に両者をどのように使い分ければよいのでしょうか?以下に、場面ごとの使い分け方を簡単に示します。

① 就職活動の場合 ⇒ 「内定」

就職活動で企業が学生に採用を伝えるときは「内定」を使います。この場合はまだ入社契約前の段階であり、仮の決定だからです。

② 法律・行政の場合 ⇒ 「確定」

裁判の判決や税金の申告など、法的に最終的な判断が下されるときは「確定」を使います。この場合は、決定が動かせない状態を指すためです。

③ 予定や日程の場合 ⇒ 「内定」または「確定」

イベントや会議の日程を一旦決めた段階では「内定」を、正式に発表された後は「確定」を使います。段階によって使い分けが必要です。

※内定は「暫定的な決定」、確定は「最終決定」と覚えておくと理解しやすくなります。

まとめ

 

この記事では、「内定」と「確定」の違いを解説しました。

「内定」は仮の決定や予定を意味し、変更の余地がある段階を表します。一方の「確定」は最終的な決定を意味し、動かすことができない状態を表します。

正しく使い分けることで、相手に誤解を与えず、より的確なコミュニケーションが可能になるでしょう。