どのような どんな 違い 意味 使い分け

「どのような」と「どんな」は、どちらも物事の状態を問う場面で使われる言葉です。しかし、両者には微妙なニュアンスの違いがあるため、使い方を誤ると不自然に聞こえてしまうこともあります。

日常会話では気軽に使える一方で、ビジネス文書や公式な説明の中では表現を選ぶ必要が出てきます。本記事ではそれぞれの意味を、具体例を使いながらわかりやすく解説していきます。

「どのような」の意味

 

どのような」とは、丁寧で改まった表現として用いられる言葉です。特に公的な場面やビジネス上のやり取りで多く見られます。

意味としては「どんな」と大きく変わりませんが、言葉の響きに堅さや丁寧さが加わる点が特徴です。

たとえば、役所での手続きや会社での正式な依頼の際に「どのような資料が必要ですか」と聞くと、礼儀正しく相手に尋ねる印象になります。

逆にこの場面で「どんな資料が必要ですか」と聞くと、少しくだけた印象になり、場合によっては不適切に感じられることがあります。

また、会話ではなく文章においても「どのような」は多用されます。学術論文や説明書、ビジネスレポートなどでは、フォーマルな文体を保つために「どのような方法で進めますか」「どのような結果が考えられますか」といった表現が使われます。

したがって、「どのような」は、相手に対する敬意を示しつつ、状況や性質をたずねる場面で有効な言葉だといえます。

「どのような」の例文

  1. 私たちは、どのような方法でこの課題に取り組むべきでしょうか。
  2. 会議では、どのような意見が出されたのかを記録しておく必要があります。
  3. この企画には、どのような効果が期待できるのかを検討してください。
  4. 新しい制度では、どのような人が対象になるのでしょうか。
  5. アンケートでは、どのような点に不満を感じているのかを明確にしました。

「どんな」の意味

 

どんな」とは、日常的でくだけた言い方として用いられる言葉です。

意味自体は「どのような」とほぼ同じで、性質や状態を問う際に使われます。ただし、口語的で柔らかい響きを持ち、気軽な会話に適しています。

たとえば、友人同士のやりとりでは「どんな映画が好き?」「どんな服を買ったの?」といったように自然に使えます。

ビジネスシーンでも口頭でのやり取りなら問題なく使われますが、公式文書や改まったメールでは避けられることが多いです。

また、「どんな」は相手に親しみを与える言葉でもあります。子どもとの会話や、カジュアルな接客場面では「どんな本を読みたいの?」のように使うことで、柔らかく質問できます。

つまり「どんな」は、相手との距離感を縮める効果を持つ言葉だといえます。

「どんな」の例文

  1. あなたは、どんな音楽をよく聴きますか。
  2. 今日は、どんな出来事がありましたか。
  3. 子どもたちは、どんな遊びをするのが好きなのでしょうか。
  4. 彼は、どんな人ともすぐに仲良くなれます。
  5. 明日の天気は、どんな感じになりそうですか。

「どのような」と「どんな」の違い

どのような どんな 違い

「どのような」と「どんな」の違いは、次のように整理することができます。

項目 どのような どんな
ニュアンス・特徴 丁寧・改まった表現、やや硬い印象 くだけた表現、口語的で自然
使用場面 ビジネス、公的文書、説明文 日常会話、カジュアルな文章
適する文体 書き言葉に適している 話し言葉に適している
例文 どのような手続きが必要ですか。 どんな本が好き?

両者の意味自体は大きく変わりませんが、場面によって選び方が異なります。

「どのような」は、丁寧さが求められるビジネスや公的なやり取りに適しており、相手に敬意を払うニュアンスを含みます。文章としても違和感なく使用できるため、改まった書き言葉で多用されます。

一方で、「どんな」は、日常会話やカジュアルな文章で自然に使える表現です。柔らかさがあり、相手との距離感を縮めたいときに適しています。

したがって、両者は「意味は同じだがフォーマル度が異なる」という違いで整理できます。丁寧さやフォーマルさが求められる場では「どのような」、親しい関係や口語的表現では「どんな」を使うと自然になります。

「どのような」と「どんな」の使い分け

 

それでは、実際に両者をどのように使い分ければよいのでしょうか?以下に、場面ごとの使い分け方を簡単に示します。

① ビジネスメールや公的文書の場合 ⇒ 「どのような」

改まったやり取りのときは「どのような」を使います。たとえば、「どのような資料を提出すればよろしいでしょうか」といった表現は、相手に失礼がなく丁寧な印象を与えます。

② 日常会話やカジュアルな文章の場合 ⇒ 「どんな」

親しい相手との会話や、ブログ・SNSのようなカジュアルな文章では「どんな」が自然です。たとえば、「どんな映画を観たい?」のように、気軽に使えるのが特徴です。

③ プレゼンや説明文の場合 ⇒ 「どのような」

人前で発表する場面や資料に書く場合は「どのような」を使います。たとえば、「どのような成果が得られるか説明します」と言うと、説得力があり、聞き手に信頼感を与えます。

※「どんな」は書き言葉ではくだけすぎる印象を与える場合があるため、文書では基本的に「どのような」を使うのが無難です。

まとめ

 

本記事では、「どのような」と「どんな」の違いを解説しました。

「どのような」は、丁寧で改まった響きを持ち、ビジネスや公的な文章で多用されます。一方、「どんな」は、親しみやすく、日常会話やカジュアルな文章で自然に使える表現です。

状況に応じて両者を使い分けることで、相手と円滑なコミュニケーションができるようになるでしょう。

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