「概略図」と「概要図」の違いは?意味と使い分けを解説

「概略図」と「概要図」は、どちらも物事を図で説明する場面で使われる言葉です。しかし、似ているようで示す内容や目的には違いがあります。

実際に図を作成するとき、どちらの言葉を使えばよいのか迷うこともあるでしょう。本記事ではそれぞれの意味を、具体例を交えてわかりやすく解説していきます。

目次

「概略図」の意味

概略図(がいりゃくず)」とは、対象の形や構造、配置などを大まかに示した図のことです。

「概略」という言葉には、細かい部分を省き、全体の要点だけを簡単にまとめるという意味があります。そのため、精密な設計図や詳細な図面とは異なり、あくまで全体像を把握することを目的としています。

たとえば、建物の配置図、施設の案内図、機械の大まかな構造図などは概略図の例です。このような図は、複雑な内容を簡潔に伝えるために用いられます。

なお、「概」は「おおよそ・大体」という意味を持ち、「略」は「省く・簡略にする」という意味の漢字です。この二つが合わさることで、「細部を省き、全体を大まかに示した図」という意味が成り立っています。

「概略図」の例文

  1. 新しい工場の概略図を確認し、建物の配置を把握した。
  2. 説明会では、施設全体の概略図が配布されていた。
  3. 資料の最初に、装置構造の概略図が掲載されている。
  4. 企画書には、会場の配置を示す概略図が添付された。
  5. 機械の全体像を示す概略図が、最初のページに掲載された。

「概要図」の意味

概要図(がいようず)」とは、対象の内容や仕組み、構成などを分かりやすく説明するためにまとめた図のことです。

「概要」という言葉には、物事の重要なポイントをまとめた内容という意味があります。そのため、概要図は、細かな情報をすべて示すのではなく、全体の構成や関係性が理解できるように整理して表した図を指します。

たとえば、業務の流れを示すフロー図、会社の組織図、システムの構成図などは、概要図の例として挙げられます。これらの図では、矢印や枠、簡単な説明などを用いて、仕組みや関係を視覚的に分かりやすく示すことが多いです。

なお、「要」という字には「重要な部分」という意味があるため、「概要」は「物事の重要な内容をまとめたもの」を表します。つまり概要図は、対象の内容や構成の要点を整理し、全体像を理解しやすく示した図だといえるでしょう。

「概要図」の例文

  1. システム全体の概要図を作成し、仕組みを説明した。
  2. 会議資料には、業務の流れを示す概要図が掲載された。
  3. 新サービスの仕組みを、概要図で説明することにした。
  4. 組織の構成を理解するため、概要図が配布された。
  5. 報告書には、プロジェクト構成の概要図が添付された。

「概略図」と「概要図」の違い

「概略図」と「概要図」の違いは、次のように整理することができます。

項目概略図概要図
意味構造や配置を大まかに示す図内容や構成を説明する図
主な目的全体の形や位置関係の把握情報の仕組みや流れの理解
表す内容形・配置・構造内容・関係・構成
情報の特徴細部を省いた簡略な図要点を整理した説明図
使用例地図、配置図、構造図、施設案内図フロー図、組織図、構成図

「概略図」と「概要図」はどちらも「全体を簡単に示す図」という点では共通しています。そのため、日常会話ではあまり厳密に区別されずに使われることもあります。しかし、図が示す内容をよく見ると、役割にははっきりした違いがあります。

「概略図」は、対象の形や配置などを大まかに示す図です。細かな寸法や情報は省略され、建物や機械などの全体の構造を理解するために使われます。つまり「どのような形になっているのか」「どこに何があるのか」を把握するための図だといえます。

一方、「概要図」は、対象の内容や仕組み、関係性を説明するための図です。業務の流れやシステムの構成など、情報の関係を整理して示すことが目的になります。つまり「どのような内容なのか」「どのように構成されているのか」を理解するための図です。

このように、「概略図」は主に形や配置などの構造を示す図であり、「概要図」は内容や仕組みを説明する図という違いがあります。図の目的を意識すると、両者の違いが分かりやすくなります。

「概略図」と「概要図」の使い分け

それでは、実際に両者をどのように使い分ければよいのでしょうか?以下に、場面ごとの使い分け方を簡単に示します。

①配置や形を大まかに示す場合⇒「概略図」

配置や構造などを大まかに示したいときは「概略図」を使います。建物の配置や装置の構造など、位置関係や形を把握することが目的の場合に適した言葉です。

②仕組みや構成を説明する場合⇒「概要図」

内容や仕組みを説明したいときは「概要図」を使います。システム構成や業務の流れなど、情報の関係を分かりやすく整理したい場合に適しています。

③資料で全体説明をする場合⇒「概要図」

企画書や報告書などで全体の内容を説明する場合は「概要図」を使うことが多いです。構造を示すよりも、情報の流れや構成を理解してもらうことが目的になります。

※両者は厳密な定義によって常に区別されるわけではなく、文脈によって似た意味で使われることもあります。ただし、一般的には、構造を示す図は概略図、内容を説明する図は概要図として使われることが多いです。

まとめ

この記事では、「概略図」と「概要図」の違いを解説しました。

概略図は、形や配置などを大まかに示す図で、構造や位置関係を把握するための図です。一方、概要図は、内容や仕組み、構成などを分かりやすく説明するための図です。

図が示す目的を意識すると、両者を自然に使い分けることができるでしょう。

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この記事を書いた人

大学卒業後、出版会社へと就職。退職後はフリーライターとして独立し、現在は言葉の意味や違いなど、日々の生活やビジネスに役立つ情報を発信しています。皆さんに「なるほど」と思ってもらえる内容をお届けすることを心がけています。




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