
「変更」と「訂正」は、どちらも内容をあらためる場面で使われる言葉です。しかし、意味や前提条件にははっきりとした違いがあります。
似ているようで使いどころが異なるため、文章やビジネス文書では迷うことも少なくありません。本記事ではそれぞれの意味を、具体例を交えてわかりやすく解説していきます。
「変更」の意味
「変更(へんこう)」とは、すでに決まっている内容を別の内容へ切り替えることを指す言葉です。
「変」は「物事が移り変わること」を、「更」は「あらたまること」を表しています。そのため、変更には、元の内容を別のものへ置き換えるという意味合いが含まれます。
重要なのは、そこに誤りがあったかどうかは問題にならない点です。たとえば、会議の開始時刻を午後に変更する場合、午前の設定が誤っていたわけではありません。状況の変化や都合に応じて、新しい内容へ切り替えることが目的です。
また、契約条件や担当者、仕様などを改める場面でも広く使われます。内容そのものを入れ替えるイメージが強く、比較的大きな転換を伴う場合に用いられることが多い語です。
「変更」の例文
- 来月から、会社の勤務時間が変更される予定だ。
- 会議の開始時刻は、午後三時へ変更となった。
- 担当部署は、急きょ計画内容を変更した。
- 出発時間は、直前になって変更を余儀なくされた。
- 私は、提出方法をオンラインへ変更した。
「訂正」の意味
「訂正(ていせい)」とは、誤りを正しい内容に直すことを意味する言葉です。
「訂」は「誤りを正すこと」を、「正」は「正しくすること」を表しています。そのため、訂正には明確な間違いが前提として存在します。誤字や計算ミス、事実と異なる記述などを正しい内容へ改める行為を指します。
たとえば、資料の数値に誤りが見つかった場合、それを正しい数値に直すことは訂正です。内容を別案に切り替えるのではなく、誤っている部分を正しい状態へ戻す点が特徴です。
報道や公的文書では、誤情報があった際に「訂正してお詫びします」と表現されることがあります。このように、正誤が明確な場面で使われるのが訂正です。
「訂正」の例文
- 私は、資料の誤字をその場で訂正した。
- 発表内容に誤りがあり、後日訂正された。
- 彼は、計算結果の数値をすぐに訂正した。
- 誤解を招く表現は、担当者によって訂正された。
- 会社は、公告の内容を正式に訂正した。
「変更」と「訂正」の違い
「変更」と「訂正」の違いは、次のように整理することができます。
| 項目 | 変更 | 訂正 |
|---|---|---|
| 誤りの前提 | なし | あり |
| 目的 | 別の内容へ切り替える | 誤りを正しく直す |
| 変化の性質 | 置き換え・転換 | 是正・修復 |
| 主な対象 | 日程・方針・条件など | 誤字・数値・事実など |
| ニュアンス | 新しい案への移行 | 正しい状態への回復 |
「変更」は、正誤とは関係なく内容を別のものへ入れ替える行為を指します。元の内容が正しかったとしても、事情や方針転換によって別案に切り替える場合に用いられます。
一方、「訂正」は、誤っている内容を正しい状態へ戻すことが目的です。間違いがあることが前提であり、そこを是正する点が特徴です。
たとえば、会議の時間を都合に合わせて午後へ変えるのは変更ですが、誤って午前十時と記載してしまったのを正しく直すのは訂正です。
つまり、内容を別のものに入れ替えるのが変更、誤りを正しく直すのが訂正という違いがあります。正誤が関係するかどうかが、両者を区別する大きなポイントです。
「変更」と「訂正」の使い分け
それでは、実際に両者をどのように使い分ければよいのでしょうか?以下に、場面ごとの使い分け方を簡単に示します。
①予定や条件を別案に切り替える場合⇒「変更」
予定や条件を別案に切り替えるときは「変更」を使います。元の内容に誤りがなくても、状況に応じて入れ替える場面に適しています。
②誤字や数値の誤りを正す場合⇒「訂正」
誤字や数値の誤りを正すときは「訂正」を使います。間違いを正しい状態へ戻すことが目的になります。
③方針を誤りなく見直す場合⇒「変更」
方針を誤りとは無関係に見直すときは「変更」を使います。誤情報が含まれているなら訂正が適切ですが、単なる方針転換であれば変更がふさわしいです。
※規模の大小ではなく、誤りが前提にあるかどうかで判断すると混同しにくくなります。
まとめ
この記事では、「変更」と「訂正」の違いを解説しました。
変更は内容を別のものへ切り替える言葉であり、誤りの有無は問いません。訂正は誤っている内容を正しい状態へ直す語で、明確な間違いが前提になります。
正誤が関係するかどうかを意識すれば、両者を適切に使い分けることができるでしょう。
「変更」と似た言葉で混同しやすいのが「修正」です。違いを正確に理解したい方は、以下の記事も合わせてチェックしておくと安心です。