「管理」と「管轄」の違いとは?意味と使い分けを解説

「管理」と「管轄」は、どちらも仕事や日常生活で使われる言葉です。しかし、一見似ているようで使われる場面にははっきりとした違いがあります。

特にビジネスシーンで用いる際に、両者を正しく理解していないと誤解につながることもあります。本記事ではそれぞれの意味を、具体例を使いながらわかりやすく解説していきます。

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目次

「管理」の意味

 

管理(かんり)」とは、対象を秩序立てて維持・運営することを指します。

ここで大事なのは、「誰が行うか」ということが限定されない点です。「管理」は、個人であっても組織であっても、物事を一定の方針に沿って扱い、状態を良く保つときに使われます。

たとえば、企業における「人事管理」や「経費管理」、学校における「学級管理」などは、組織内の秩序を整えて維持する活動です。

また、日常生活においても「観葉植物の水やりを管理する」といった使い方ができます。

つまり「管理」は、対象をどのように扱い、適切に運用していくかという具体的な手法や働きに焦点をあてた言葉なのです。

このように、「管理」はとても幅広く用いられ、ビジネスの場から家庭内の小さな出来事までカバーします。

「管理」の例文

  1. 彼女は、従業員の勤務時間を正確に管理しています。
  2. 先生は、学級の雰囲気をよくするために日常的に管理を行っています。
  3. 大学の研究室では、重要なデータを厳重に管理しています。
  4. 私は、観葉植物の水やりを毎日スケジュールに沿って管理しています。
  5. 図書館では、貸出し中の本の返却状況をきちんと管理しています。
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「管轄」の意味

 

管轄(かんかつ)」とは、官庁や機関などが権限によって支配することを意味します。

主体は基本的に組織や機関に限られ、個人には用いられません。

具体的には「○○警察署の管轄」「住所地を管轄する公共職業安定所」など、法律や規則に基づいた権限の所在を示す場合に使われます。

さらに「管轄」には、その組織や機関が担当する「区域」や「範囲」を指す意味も含まれます。たとえば、「この地域は○○消防署の管轄です」「それは管轄外です」といった表現は、まさに範囲を強調する用法です。

つまり「管轄」は、組織的・制度的な枠組みに基づく責任や担当の範囲を表現する言葉といえます。

個人レベルではなく、公的機関や団体の「権限」と「範囲」を示す場合に使われる点が、「管理」と大きく異なる部分です。

「管轄」の例文

  1. この警察署は、新宿区を管轄しています。
  2. 税務相談は、住所地を管轄する税務署で行ってください。
  3. ゴミの処理については、市役所の環境課が管轄しています。
  4. 消防署は、担当区域を管轄し、火災や災害に対応しています。
  5. この問題は私の部署の管轄外なので、別の担当課にご相談ください。
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「管理」と「管轄」の違い

管理 管轄 違い

「管理」と「管轄」の違いは、次のように整理することができます。

項目 管理 管轄
意味 対象を秩序立てて維持・運営すること 官庁や機関などが権限で支配すること、その及ぶ範囲
主体 個人・組織いずれも可 主に組織・公的機関に限定
ニュアンス 扱い方・コントロールの方法 権限・区域・範囲
用例 時間を管理する、設備を管理する ○○警察署の管轄、管轄外です
焦点 方法・手段 範囲・権限

「管理」とは、対象を秩序立てて維持・運営することを指します。

仕事では「人事管理」「経費管理」、日常生活なら「植物の水やりを管理する」「趣味のコレクションを管理する」といった表現が可能です。

このように、「管理」は個人から組織まで幅広く使え、焦点は「具体的にどう扱うか」という運営や維持の方法にあります。

一方で「管轄」とは、官庁や機関などが権限で支配することを意味します。典型的な例は「この地域は○○警察署の管轄」「住所地を管轄する公共職業安定所」といった使い方です。

ここで重要なのは「権限の所在」であり、基本的に個人ではなく組織や公的機関に限定されます。さらに「管轄外」「東京国税局の管轄」といったように、単に「区域・範囲」そのものを指す場合もあります。

まとめると、「管理」は主体を問わず運営や維持の方法を示し、「管轄」は組織や機関の権限やその範囲を示す言葉です。

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「管理」と「管轄」の使い分け

 

それでは、実際に両者をどのように使い分ければよいのでしょうか?以下に、場面ごとの使い分け方を簡単に示します。

① 業務の進め方や維持の方法を示す場合 ⇒「管理」

仕事において対象を適切に扱い、状態を維持したり改善したりする場合は「管理」を使います。たとえば、社員の勤務時間や商品の在庫、パソコンのセキュリティなどを整えるときは「管理」が適切です。

② 組織や機関の権限を示す場合 ⇒「管轄」

行政機関や団体が、法律や規則に基づいて担当する範囲を示すときは「管轄」を使います。たとえば、税務署や警察署、役所の担当部局など、責任と権限の所在を表す場合です。

③ 担当範囲や区域を説明する場合 ⇒「管轄」

「ここは管轄外です」のように、単に範囲そのものを示すときも「管轄」を使います。これは「管理」にはない意味であり、使い分けを明確にするポイントとなります。

※「管理」は方法や手段に注目する言葉、「管轄」は権限や範囲に注目する言葉、と意識しておくと分かりやすいです。

まとめ

 

この記事では、「管理」と「管轄」の違いを解説しました。

「管理」は、個人や組織を問わず対象を秩序立てて維持することを指し、方法や手段に焦点があります。一方の「管轄」は、官庁や機関などが権限に基づいて担当する範囲を示す言葉であり、個人には使われません。

両者を混同しないためには、焦点が「方法」なのか「範囲」なのかを意識するとよいです。

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この記事を書いた人

大学卒業後、出版会社へと就職。退職後はフリーライターとして独立し、現在は言葉の意味や違いなど、日々の生活やビジネスに役立つ情報を発信しています。皆さんに「なるほど」と思ってもらえる内容をお届けすることを心がけています。

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