「共有」と「共同」の違いとは?意味と使い分けを解説

「共有」と「共同」は、どちらも複数の人が関わる場面で使われる言葉です。しかし、意味が似ているため、文章の中で使い分けに迷うことも少なくありません。

なんとなく使っていると、意図が正確に伝わらない場合もあります。本記事では「共有」と「共同」の意味を整理し、違いと使い分けをわかりやすく解説していきます。

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目次

「共有」の意味

共有(きょうゆう)」とは、一つの物事や情報、状態などを、二人以上の人が同じものとして持つことを意味します。ポイントは、「一緒に何かを行う」必要はなく、同じ内容を持っている状態を表す言葉だという点です。

辞書では「二人以上の人が共同で所有すること」と説明されることが多く、土地や財産などの所有関係を表す場合にも使われます。ただし、現代の日本語では、物に限らず、情報・認識・感情など、形のないものにも幅広く用いられます。

たとえば、会議で決まった内容を全員が理解している場合は「認識を共有する」と言います。この場合、全員が同じ理解を持っていればよく、実際に同じ作業をする必要はありません。

このように、「共有」は状態や内容が一致していることに重点がある言葉だと考えると、使い方が整理しやすくなります。

「共有」の例文

  1. 上司は、会議の内容を部下全員と共有した。
  2. チーム内で、最新の情報を共有することが重要だ。
  3. 友人とは、学生時代の思い出を共有している。
  4. 書類は、関係者全員で共有できるように設定した。
  5. 参加者は、同じ問題意識を共有して集まっていた。
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「共同」の意味

共同(きょうどう)」には、大きく分けて二つの意味があります。一つ目は、「共通の目的のために協力して行動すること」です。

たとえば、「共同研究」「共同作業」「共同経営」などがこれに当たります。この場合、それぞれが役割を持ち、実際に行動を共にする点が特徴です。

二つ目は、「複数の人が同じ条件で関わること」です。「共同住宅」「共同墓地」「共同アンテナ」などが代表例で、必ずしも一緒に作業をするわけではありませんが、同じ仕組みや条件を共有して利用します。

このように、「共同」は人と人の関わり方や行動そのものに焦点を当てた言葉だと言えます。

「共同」の例文

  1. 大学では、企業との共同研究が進められている。
  2. 住民は、共同で地域の清掃活動を行った。
  3. その施設は、複数世帯が利用する共同住宅だ。
  4. 二社は、共同事業として新商品を開発した。
  5. 今回の件について、各国は共同で声明を発表した。
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「共有」と「共同」の違い

「共有」と「共同」の違いは、次のように整理することができます。

項目共有共同
基本的な意味同じ内容を持つ状態力を合わせて関わること
行動の必要性必ずしも必要ない原則として必要
主な対象情報・認識・物作業・研究・事業
情報を共有する共同研究を行う
注目点状態の一致行動・協力

「共有」は、情報・物・認識などを同じものとして持っている状態を表す言葉です。重要なのは、そこに必ずしも行動や協力が伴う必要はないという点です。たとえば、資料を全員が閲覧できるようにした場合、それだけで情報は共有されたと言えます。

一方、「共同」は、人と人がどのように関わるかに重点が置かれています。共通の目的のために力を合わせる場合や、同じ条件で関与する場合に使われる言葉で、原則として何らかの関わりや行動が前提になります。共同研究や共同事業では、参加者それぞれが役割を持ち、協力して物事を進めます。

このように、「共有」は状態の一致を示す言葉であり、「共同」は行動や関係性を示す言葉だと整理できます。したがって、同じ資料を持っているだけなら「共有」ですが、その資料を使って話し合い、作業を進める段階に入ると「共同」になります。

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「共有」と「共同」の使い分け

それでは、実際に両者をどのように使い分ければよいのでしょうか?以下に、場面ごとの使い分け方を簡単に示します。

① 情報や認識をそろえたい場合 ⇒「共有」

情報や考えを、参加者全員が同じ内容として理解している状態を作りたいときは「共有」を使います。
この場合は、実際に一緒に作業するかどうかは関係なく、内容が一致していること自体が重要になります。

② 協力して何かを進める場合 ⇒「共同」

同じ目的を持ち、役割を分担しながら作業や活動を進めるときは「共同」を使います。ここでは、複数人が関わり合い、行動を通じて成果を出す点が重視されます。

③ 同じ条件で関わる場合 ⇒「共同」

複数の人が、同じ立場や資格を持つ者として関係を持つ場合には「共同」を使います。この場合は、何かを一緒に行うかどうかではなく、同じ条件で関わっていること自体が「共同」と判断されます。

まとめ

この記事では、「共有」と「共同」の違いを解説しました。

「共有」は、情報や物を同じものとして持つ状態を表す言葉です。一方、「共同」は、目的や条件を共にし、関わり合うことを表します。

両者の違いを理解し、文脈に合った言葉を選ぶことが大切です。

この記事を書いた人

大学卒業後、出版会社へと就職。退職後はフリーライターとして独立し、現在は言葉の意味や違いなど、日々の生活やビジネスに役立つ情報を発信しています。皆さんに「なるほど」と思ってもらえる内容をお届けすることを心がけています。

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