聯絡 連絡 違い 意味 どっち 正しい 使い分け

「聯絡」と「連絡」は、両方とも「れんらく」と読む言葉です。しかし、どちらが正しい表記なのかかが分かりにくいです。

特にビジネスシーンでの使い分けに迷うという人も多いと思われます。本記事ではそれぞれの意味を、具体例を使いながらわかりやすく解説していきます。

「聯絡」の意味

 

聯絡(れんらく)」とは、前まで一般的に使われていた表記で、「聯(つなぐ・つらなる)」と「絡(からむ・結びつく)」を組み合わせた言葉です。

もともとの意味は「つながりを持つこと」や「結びつけること」を示し、人や組織が情報を伝え合ったり、関係を取り持ったりする場面で使われてきました。

戦前の公文書や新聞記事では「聯絡」が標準表記とされており、たとえば「聯合国(国際連合)」のように、国や組織が協力し合うことを示す言葉でも使われていました。

しかし、1946年に当用漢字が制定された際、「聯」が使用対象外となったため、以降は「連絡」が標準表記として使われるようになっています。

現代日本語で「聯絡」を目にする機会は非常に限られていますが、古い文献や中国語由来の用語に触れると登場することがあります。

つまり、「聯絡」は意味的には現代の「連絡」と変わりませんが、現在では歴史的な表現として扱われるのが一般的です。

「聯絡」の例文

  1. 戦時中、各部隊は無線で聯絡を保った。
  2. 彼は古い手紙で友人との聯絡を思い出した。
  3. 古文書には、役所同士の聯絡の記録が残っている。
  4. 教師は、生徒の家庭と密に聯絡を取り合っていた。
  5. 大使館は、現地政府と緊急時の聯絡体制を整えていた。

「連絡」の意味

 

一方の「連絡(れんらく)」は、戦後の当用漢字制定以降に広まった表記です。

「連(つながる・連なる)」と「絡(結びつく)」を組み合わせたもので、意味は「聯絡」とほとんど同じで「つながりを持つこと」や「情報を伝え合うこと」を指します。

現在では、日常生活からビジネス、公的な文章まで、ほぼすべての場面で「連絡」が使われます。

メールや電話でのやり取りを示す言葉としても定着しており、「ご連絡ありがとうございます」「後ほど連絡します」といった形で自然に使われています。

つまり、「連絡」は現代における標準的な言葉であり、読み手に違和感を与えない表記だと言えます。

「連絡」の例文

  1. 部長は、会議の開始時間を全員に連絡した。
  2. 旅行会社から、予約確認の連絡が届いた。
  3. 友人は、遅れるとメッセージで連絡してきた。
  4. 市役所から、必要書類に関する連絡があった。
  5. 災害時は、安否確認の連絡が重要となる。

「聯絡」と「連絡」の違い

聯絡 連絡 違い

「聯絡」と「連絡」の違いは、次のように整理することができます。

項目 聯絡 連絡
漢字 「聯」+「絡」 「連」+「絡」
成立時期 戦前まで一般的 戦後以降の標準表記
使用頻度 現在はほぼ使われない 現代で一般的
主な使用場面 古文書・戦前文献・中国語表記(例:聯合国) 日常会話・公文書・ビジネス文書
印象 古風・歴史的・硬い 普通・標準的

「聯絡」と「連絡」は、どちらも「つながる」「結びつく」といった意味を持つ言葉です。しかし、現代の日常生活で使われるのは圧倒的に「連絡」であり、「聯絡」を目にする機会はほとんどありません。

「聯絡」は旧字体で、中国由来の「聯(つらなる・つなぐ)」を用いた表記です。戦前までは公文書や新聞にも広く使われていましたが、1946年の当用漢字制定で「聯」が対象から外れたため、代わりに「連」を使う「連絡」が標準表記として定められました。

とはいえ、「聯絡」が完全に廃れたわけではなく、戦前の書籍や公文書、中国語圏の文章などでは今も目にすることがあります。意味自体は両者でほとんど変わらず、「つながりを持つこと」「情報を伝え合うこと」を表します。

ただし、現代日本語で「聯絡」を使うと古風で硬い印象になるため、通常の文章や会話では「連絡」を用いるのが適切です。

「聯絡」と「連絡」の使い分け

 

それでは、実際に両者をどのように使い分ければよいのでしょうか?以下に、場面ごとの使い分け方を簡単に示します。

① 日常的な文章やビジネスの場合 ⇒「連絡」

日常のメールやビジネス文章のやり取りでは「連絡」を使います。現代日本語においては標準的な表記であり、相手に誤解を与えることがありません。

② 歴史的資料や戦前の文献の場合 ⇒「聯絡」

古い公文書や戦前の資料を引用するときは、そのまま「聯絡」を使います。当時の表記を正しく示すことで、原文のニュアンスを崩さずに伝えることができます。

③ 中国語由来の表記の場合 ⇒「聯絡」

中国語では現在も「聯絡」を用いるため、国際的な組織名や固有名詞ではこの表記が残っています。たとえば「國際聯絡部」など、漢字文化圏の言葉をそのまま示すときは「聯絡」となります。

※現代日本語の文章や会話では基本的に「連絡」を選べば問題ありません。「聯絡」を日常的に使うと不自然に感じられるため、歴史的・文化的な文脈でのみ用いるのが適切です。

まとめ

 

この記事では、「聯絡」と「連絡」の違いを解説しました。両者は意味自体に大きな差はなく、違いは戦前・戦後における表記の変化によるものです。

現代日本語では「連絡」が一般的であり、「聯絡」は古風な表現として残っています。日常生活やビジネスの場では「連絡」を使い、歴史的資料や中国語表記に触れる場合のみ「聯絡」を使うようにしましょう。