志望 希望 違い 使い分け 意味

「志望」と「希望」は、どちらも未来への願いを表す言葉ですが、その使い方には違いがあります。あなたはこれらの言葉をどのように使い分けていますか?

正しく理解し、場面に合わせて使い分けることで、言葉の力を引き出すことができます。今回は、「志望」と「希望」の違いについて解説していきます。

「志望」の意味

 

志望(しぼう)」とは、自分自身が特定の目標や職業、進路に対して望むことを意味します。

この言葉には、単なる願望だけでなく、目標に向かって努力する意思が含まれています。「志」という漢字は「こころざし」、すなわち「目的を持った強い意志」を表しており、「望」は「望むこと」を意味します。

そのため、「志望」は単なる願いではなく、強い意志を持った目標設定を示します。

例えば、受験や就職の際に「志望校」や「志望動機」という表現が使われます。これは、単に「行けたらいいな」という希望ではなく、「この学校に入りたい」「この職業に就きたい」といった意志を表しているからです。

このように、「志望」は具体的な目標が伴う場面で使われることが多いです。

「志望」の例文

  1. 彼の第一志望は、東京大学だと聞いている。
  2. 面接では、なぜこの会社を志望したのかを明確に伝えることが大切だ。
  3. 志望動機を書くときは、具体的な理由を述べる必要がある。
  4. 医者になることを志望している彼は、毎日熱心に勉強している。
  5. 志望校に合格するために、彼は毎日10時間以上勉強している。

「希望」の意味

 

一方、「希望(きぼう)」とは、自分や他人、社会全体などが「こうなればいいなと思う気持ち」や「明るい未来への期待」を意味します。

「希」という漢字は「めったにない」や「少しの望み」という意味を持ち、「望」は「望むこと」を表します。このことから、「希望」は強い意志などではなく、単なる願望を示すことが分かります。

例えば、「希望者にはプレゼントを差し上げます」という表現では、「もらいたいと思っている人」のことを指します。また、「希望の光」などの表現では、「将来への期待」や「明るい未来」を象徴する言葉として使われます。

つまり、「希望」は広い意味で「こうなったらいいな」という思いを表すのです。

「希望」の例文

  1. 彼は海外で働きたいという希望を持っている。
  2. 講座の受講を希望する方は、申し込み用紙に記入してください。
  3. 希望に満ちた若者たちは、夢を追いかけて都会へ出て行った。
  4. 私の希望は、家族が健康で幸せに暮らすことです。
  5. 彼女は新しい仕事を希望しているが、まだ具体的な行動はとっていない。

「志望」と「希望」の違い

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「志望」と「希望」の違いは、以下のように整理することができます。

項目 志望 希望
意味 目標に対して望むこと こうなればいいなという願望
使い方 進学、就職、職業などに使われる 広い意味での願望に使われる
志望校・志望動機・志望職種 希望者・希望条件・希望の光
意志の強さ 強い意志を伴う 意思の有無はなし
望みの対象 自分自身の進路・目標 自分・他人・社会全体

「志望」は、目標に向かって努力する意思が込められた言葉です。自分が進むべき道や目指すべき目標に対して、強い意志を持ち、それに向けて努力を惜しまないという意味合いが含まれています。

例えば、進学先の「志望校」や就職先の「志望職種」などが典型的な使い方です。これらは、単なる願望ではなく、自分の人生における重要な選択肢であり、その実現に向けて努力や準備をしていることが前提となります。

そのため、「志望」には、自分の進路や目標に対して強い責任感と意志を伴うことが特徴です。

一方、「希望」は、必ずしも強い意志を伴うわけではなく、むしろ「こうなればいいな」といった願望を表現する言葉です。

「希望」は一般的に、「こうなりたい」「こうあってほしい」という気持ちを表しますが、それが実現するためにどれだけ努力をするかなどの意味は含まれていません。

例えば、「希望条件」や「希望職種」といった場合、これらはあくまで「望ましい状況」や「理想の状態」を指し、実現に向けた強い意志や行動を示すものではないです。

また、「希望」は自分自身に限らず、他人や社会全体に対しても使われることがあります。具体的には、「社会全体の希望」や「人々の希望」など、広い範囲で使うことができます。

このように、「志望」と「希望」の最大の違いは、その意志の強さと対象にあります。「志望」は、自分の進路や目標に対して強い意志と努力を伴い、自己の実現を目指すものであるのに対して、「希望」は、必ずしも努力を伴わず、広い意味での願望や理想を指す言葉です。

「志望」と「希望」の使い分け

 

「志望」と「希望」は、以下のように使い分けるとよいです。

1. 進学や就職の場面では「志望」

例えば、大学入試や企業への応募では、「希望」ではなく「志望」を使います。

× 第一希望の大学〇 第一志望の大学
× 会社を希望する〇 会社を志望する

2. 配属や願望を述べるときは「希望」

会社の部署や勤務地を選ぶ場合は「希望」を使います。

〇 配属希望を出す
〇 希望する勤務地を伝える

3. 明確な目標がある場合は「志望」

「〇〇になりたい」という具体的な目標があるときは「志望」が適切です。

〇 医者を志望する
〇 教師を志望する

4. 漠然とした願いなら「希望」

単なる願いごとや未来への期待を述べるときは「希望」を使います。
〇 未来に希望を持つ
〇 世界が平和になることを希望する

使い分けのまとめ

  1. 「志望」自分自身の進路や目標に使う。(例:「医師志望」「第一志望」)
  2. 「希望」自分・他人・社会全体の望みに使う。(例:「希望の職種」「世界平和を希望する」)
  3. 「希望」未来への明るい見通しにも使う。(例:「希望を捨てない」「希望に満ちた人生」)

まとめ

 

今回は、「志望」と「希望」の違いを解説しました。

「志望」は強い意志と努力を伴う目標設定を表し、進学や就職の際に使われます。一方、「希望」は願望や期待を示し、強い意志を伴わないことが多いです。

両者は意志の強さや使われる場面が異なるため、適切に使い分けることが必要となります。