やりづらい やりずらい 違い 正しい どっち 意味

文章を書くとき、「やりづらい」と「やりずらい」という表記を目にすることがあります。どちらも同じように見えますが、実は正しい表記は一つです。

間違った使い方をすると、相手に誤解を与えてしまうこともあるかもしれません。本記事では、「やりづらい」と「やりずらい」の違いを分かりやすく解説していきます。

「やりづらい」の意味

 

やりづらい」は、動詞「やる」の連用形「やり」に接尾語「づらい(辛い)」がついた言葉です。

「づらい」は、その動作を行うのに心理的・物理的な困難を感じる意を表します。つまり、「やるのが難しい」「やることに抵抗を感じる」といった意味です。

現代仮名遣いのルールにおいても、「やる+つらい」が連語になった場合は例外的に「づ」と書くのが正しいとされます。口語では「やりずらい」と書くことがありますが、書き言葉としては誤りです。文章やビジネス文書では必ず「やりづらい」を使用するのが正しい書き方です。

「やりづらい」の例文

  1. 新しいシステムに慣れていないので、操作がやりづらいです。
  2. 彼の指示は曖昧なので、一緒に仕事をするのがやりづらいです。
  3. チーム内の意見がばらばらで、プロジェクトを進めるのがやりづらい状況です。
  4. 新しい部署での業務は、環境に慣れていないためやりづらいと感じます。
  5. オンライン会議でのコミュニケーションが取りづらく、議事進行がやりづらいです。

「やりずらい」の意味

 

やりずらい」は、口語やSNSなどでよく使われる表現で、厳密には誤った表記です。

発音は「やりづらい」と同じですが、書き言葉としては誤りです。「ずらい」と書くと、接尾語「づらい」の由来やルールを無視することになり、文章の正確性を損ないます。

誤用の原因は、発音が同じため「ず」と書きたくなる心理や、現代仮名遣いの「ず」と「づ」の書き分けの誤解によるものと考えられます。

「やりずらい」の例文

※以下の例文は、口語やSNSで見られる表現です。文章としては誤りなので、正式には「やりづらい」を使いましょう。

  1. 新しいアプリの操作が慣れていなくて、やりずらいと感じた。
  2. 今日の会議の進め方はちょっとやりずらいなと思った。
  3. メンバーの意見がバラバラで、調整がやりずらいです。
  4. 初めて担当する業務なので、手順が複雑でやりずらいと感じた。
  5. 彼は友人に対して「このゲーム操作、やりずらいね」と言った。

「やりづらい」と「やりずらい」の違い

やりづらい やりずらい 違い 使い分け 正しい

「やりづらい」と「やりずらい」の違いは、次のように整理することができます。

項目 やりづらい やりずらい
正誤 正しい 誤り
意味・ニュアンス その動作をするのが難しく感じる ※正しくは「やりづらい」と同じ意味とされる誤用
主な使用場面 書き言葉・文章・正式な文書 口語・SNS・話し言葉など非正式な場面
印象・評価 正式・丁寧で信頼できる印象 誤りとされるため文章では好ましくない
備考 動詞の連用形+「づらい」 発音は同じだが現代仮名遣いでは誤り

「やりづらい」は、動詞「やる」の連用形「やり」に、接尾語「づらい(辛い)」が付いた言葉で、「その動作をするのが困難」「心理的にやりにくい」といった意味を表します。接尾語として使われる「づらい」は濁音で表記するのが正しく、書き言葉では必ず「づ」と書きます。

一方、「やりずらい」は口語やSNSなどでは見かけることがありますが、これは発音が同じであるために「ず」と書いてしまうことによる誤りです。文章としては基本的に使わないのが望ましく、正式には「やりづらい」と書くのが正解です。

現代仮名遣いでは基本的に「ず」と「づ」は統一される場合が多いものの、「やる+つらい」のように二語がつながって新しい語になる場合は「づ」を使うという例外があります。そのため、「やりづらい」が正しい表記として定着しています。

まとめると、日常会話では「やりずらい」が使われることもありますが、正しい表記は一貫して「やりづらい」です。ビジネス文書などを書くときは、必ず「やりづらい」を選びましょう。

「やりづらい」と「やりずらい」の使い分け

 

それでは、実際に両者をどのように使い分ければよいのでしょうか?以下に、場面ごとの使い分け方を簡単に示します。

①日常的な文章の場合⇒「やりづらい」を使う

日常的に使う文章では、基本的に「やりづらい」を使います。「やりづらい」を使ったことで、誤りを指摘されるようなことはまずありません。

②SNS・チャットの場合⇒「やりづらい」が望ましい

SNSやチャットでは、「やりずらい」と書く人も多く見られます。ただ、正確な表記を心がけたい場合や丁寧に伝えたい場面では「やりづらい」を使った方が好印象です。

③ビジネス文書の場合⇒必ず「やりづらい」

ビジネス文書や公的な場面では、必ず「やりづらい」と書くのが正しい使い方となります。報告書やメール、公式な文章では「やりずらい」は誤用です。

まとめ

 

今回は、「やりづらい」と「やりずらい」の違いを解説しました。

「やりづらい」は正しい表記で、接尾語「づらい」が付いた言葉です。一方の「やりずらい」は、書き言葉としては誤りの表記です。

ビジネス文書では必ず「やりづらい」を使用し、正確に表記するようにしましょう。