「および・ならびに」と「及び・並びに」の違い|公用文はどっちを使う?

および ならびに 及び 並びに 違い 公用文

「および」と「及び」、「ならびに」と「並びに」。これらは同じ読み方なのに、ひらがなと漢字の違いで表記が異なります。

そのため、公用文や契約書などを書くとき、「どちらが正しいのか」と手が止まる人も多いでしょう。本記事では、両者の違いと公用文での正しい使い分けをわかりやすく解説します。

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目次

「および・ならびに」と「及び・並びに」の違い

「および/及び」「ならびに/並びに」は、いずれも複数の語句を並列する接続詞で、意味自体はほぼ同じです。英語で言えば“and”にあたります。

たとえば、

  • りんごおよびバナナ
  • りんご及びバナナ

どちらも「りんごとバナナの両方」という意味になります。

では何が違うのでしょうか。最大の違いは、使用される場面と文書の性格です。

一般的な文章や新聞表記、NHK表記などでは、接続詞は原則としてひらがなにします。したがって、通常のブログ記事や読み物では「および」「ならびに」と書くのが自然です。

一方、法令や契約書などの公的文書では、「及び」「並びに」と漢字で表記されることが多くなります。これは単なる表記の違いではなく、法令用語としての厳密な使い分けが存在するためです。

つまり、日常的な文章ではひらがな、公的・法律的な文書では漢字が基本というのが大まかな整理になります。


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公用文での「及び・並びに」の使い方

「公用文ではどっちを使うのか」という疑問に対しては、実は一律ではありません。

まず、法令・告示・通知などの厳密な法規文書では、「及び」「並びに」と漢字を用いるのが原則です。これは、条文解釈に誤解が生じないよう、用語を統一し、法令用語としての意味を明確にするためです。

しかし、公用文にも種類があります。たとえば、自治体の広報誌や「市のお知らせ」「区政だより」のような一般住民向け文書では、読みやすさを優先し、ひらがな表記が用いられることが少なくありません。

つまり整理すると次のようになります。

  • 法令・告示・通知などの法規文書 → 「及び」「並びに」
  • 広報・解説など一般向け文書 → 「および」「ならびに」

さらに、議事録は公用文に準じる扱いとされるため、原則として「及び」「並びに」と漢字を用います。会議録や公式記録を作成する場合は、ひらがなではなく漢字を使うのが適切です。

このように、公用文といっても一枚岩ではなく、文書の目的と読者層によって使い分けられているのが実情です。


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法令での「及び」と「並びに」の使い分け

法令や契約書では、「及び」と「並びに」は厳密に区別されます。ここが日常表現との大きな違いです。

ポイントは、「並びに」は上位の区分、「及び」は下位の区分をつなぐということです。

たとえば、次のような構造を考えてみましょう。

洋菓子:ケーキ・シュークリーム・タルト
和菓子:まんじゅう・ようかん

これを法令的に書くと、
ケーキ、シュークリーム及びタルト並びにまんじゅう及びようかん

となります。

ここでは、

  • 小さなグループ(ケーキ・シュークリーム・タルト)を「及び」で接続
  • 大きなグループ(洋菓子と和菓子の区分)を「並びに」で接続

しています。

さらにルールとして、3つ以上並べる場合は最後の語の前にだけ「及び」を置くのが原則です。

例: A、B及びC

これは「AとBとC」という同一階層の並列を表しています。

ただし、語をグループに分けて接続する場合は構造が変わります。

例: A及びB並びにC及びD

この文は、
(A及びB)並びに(C及びD)
という構造になっています。

つまり、「及び」は同じ階層の語を結び、「並びに」はそれらのまとまり同士を結ぶ上位の接続語として使われています。

そのため、「並びに」のほうは正確にはより大きな単位を接続する語であることが特徴です。

なお、この構造は選択を表す「又は」「若しくは」にも対応しており、

  • 又は=上位の選択
  • 若しくは=下位の選択

という関係になります。法令を読む際は、この階層構造を意識することで、条文の意味が格段に理解しやすくなります。


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日常文・ビジネス文書での使い分けと注意点

日常的な文章では、「および」と「ならびに」をそこまで厳密に区別する必要はありません。意味は同じであり、どちらを使っても誤りにはなりません。

ただし、漢字表記にすると法令的な印象が強くなります。そのため、ブログやコラムなどではひらがなのほうが柔らかく自然です。

一方、契約書や合意書などの法律文書では、「及び」「並びに」を用いるのが一般的です。この場合、表記ゆれを避け、漢字かひらがなのどちらかに統一することが重要です。同じ文書内で「及び」と「および」が混在すると、体裁上好ましくありません。

また、「及び」と「又は」の違いにも注意が必要です。

  • A及びB → AとBの両方
  • A又はB → AかBのいずれか

この違いは契約内容の解釈に直結するため、特に慎重に扱うべきポイントです。「並びに」と「及び」の誤用は階層の問題にとどまりますが、「及び」と「又は」の混同は意味そのものを変えてしまいます。

ビジネスシーンでは、読み手や文書の性質を意識し、

  • 一般文書ならひらがな
  • 法的文書なら漢字

という基本を押さえておくと安心です。


まとめ|公用文では目的に応じて使い分ける

本記事の内容をまとめると、以下のようになります。

項目および・ならびに及び・並びに
表記ひらがな漢字
主な使用場面一般文章・ブログ・広報法令・告示・契約書
意味いずれも「and」いずれも「and」
法令上の役割特に階層区別なし及び=下位接続並びに=上位接続
文書の印象柔らかい・読みやすい硬い・法律的
注意点表記を統一する階層構造を意識する

「および・ならびに」と「及び・並びに」は、意味自体は同じ接続詞です。しかし、文書の性格によって表記と使い方が変わる点が大きな違いです。

整理すると、次のとおりです。

  • 一般的な文章では「および」「ならびに」を用いる
  • 法令・告示・契約書では「及び」「並びに」を用いる
  • 法令では「並びに」が上位、「及び」が下位の接続
  • 同一文書内では表記を統一する

公用文といっても、広報なのか法規文書なのかで扱いは異なります。重要なのは、読み手と文書の目的に合わせて適切に選ぶことです。正しく使い分けられれば、文章の信頼性と読みやすさは確実に向上するでしょう。

この記事を書いた人

大学卒業後、出版会社へと就職。退職後はフリーライターとして独立し、現在は言葉の意味や違いなど、日々の生活やビジネスに役立つ情報を発信しています。皆さんに「なるほど」と思ってもらえる内容をお届けすることを心がけています。

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