
「通知」と「告知」は、どちらも相手に何かを知らせる場面で使われる言葉です。しかし、似た意味を持つため、どちらを使えばよいのか迷うことも少なくありません。
実際には、知らせる相手や目的、使われる場面によって、それぞれ適した使い方があります。本記事ではそれぞれの意味を、具体例を交えてわかりやすく解説していきます。
「通知」の意味
「通知(つうち)」とは、必要な相手に対して、事実や決定事項、連絡事項などを正式に知らせることを意味します。
「通」は「通す・伝える」、「知」は「知らせる・知る」という意味を持つ漢字です。そのため、「通知」は情報を相手へ届けて知らせることを表しています。
通知は、主に特定の相手や関係者へ情報を伝える場面で用いられます。企業が社員へ異動を知らせたり、学校が保護者へ連絡を送ったり、行政機関が住民へ案内を送付したりするように、対象が限定されていることが特徴です。
また、「採用通知」「合格通知」「納税通知書」「通知表」のように、正式な文書や制度上の名称として定着している言葉も数多くあります。
辞書では「告げ知らせること」と説明されますが、実際には単なる情報発信ではなく、相手が知る必要のある事項を正確かつ正式に伝える意味合いが強い言葉として使われています。
「通知」の例文
- 市役所は、住民へ税額の変更を通知しました。
- 会社は、新しい勤務時間を社員全員へ通知しています。
- 合格者には、来週中に結果を通知する予定です。
- 学校から、保護者へ行事日程が通知されました。
- システムは、異常を検知すると利用者へ通知します。
「告知」の意味
「告知(こくち)」とは、人に対して事実や情報を告げ知らせることを意味します。
「告」は「告げる」、「知」は「知らせる」という意味を持つ漢字です。「通知」と同様に「知らせる」という意味を持ちますが、「告知」は広く周知する場面や、一定の事実を相手へ伝える場面でよく使われます。
たとえば、イベントや新商品の案内を広く知らせる「イベント告知」「新商品告知」のような使い方が代表例です。また、医療分野では「がん告知」、不動産業界では「告知義務」のように、一定の事実を相手へ伝える意味で用いられることもあります。
なお、「告知は通知よりも重要な内容に使う」という説明を見かけることがありますが、これは必ずしも正確ではありません。重要な内容でも「採用通知」や「合格通知」のように「通知」が使われる例は多くあります。そのため、「告知」は重要度ではなく、知らせ方や用いられる場面によって使い分けられる言葉と考えるのが適切です。
「告知」の例文
- 主催者は、開催日時を公式サイトで告知しました。
- 医師は、患者へ検査結果を丁寧に告知しました。
- 新商品の発売日は、昨日の配信で告知されています。
- 不動産会社は、契約前に重要事項を告知しました。
- 番組の最後で、次回の放送内容が告知されました。
「通知」と「告知」の違い
「通知」と「告知」の違いは、次のように整理することができます。
| 項目 | 通知 | 告知 |
|---|---|---|
| 意味 | 必要な相手へ正式に知らせること | 事実や情報を告げ知らせること |
| 主な対象 | 特定の相手・関係者 | 一般の人・特定の相手のどちらも可 |
| 主な目的 | 連絡・伝達・手続き | 周知・案内・事実の伝達 |
| よく使う場面 | 行政・学校・企業・契約 | 広報・広告・医療・不動産 |
| 代表例 | 合格通知、採用通知、通知表 | イベント告知、がん告知、告知義務 |
通知と告知は、辞書ではどちらも「告げ知らせること」と説明されており、基本的な意味は共通していますが、実際の日本語では使われる場面に違いがあります。
通知は、必要な相手へ正式な情報を伝える場合に用いられる言葉です。受け取る相手が決まっていることが多く、企業や学校、行政機関などが関係者へ連絡する際によく使われます。「採用通知」「合格通知」「通知表」などのように、制度や文書の名称として定着している表現も少なくありません。
一方、告知は、広く情報を知らせる場合や、一定の事実を相手へ伝える場合に使われます。イベントや商品の案内を多くの人へ知らせるケースだけでなく、「がん告知」や「告知義務」のように、相手へ重要な事実を伝える意味でも使われます。
このように、両者を区別する際は「重要かどうか」ではなく、「誰に向けて、どのような目的で知らせるのか」という点に注目すると理解しやすくなります。特定の相手へ正式に伝えるなら「通知」、広く知らせたり、一定の事実を伝えたりするなら「告知」と考えると、多くの場面で自然に使い分けることができます。
「通知」と「告知」の使い分け
それでは、実際に両者をどのように使い分ければよいのでしょうか?以下に、場面ごとの使い分け方を簡単に示します。
①特定の相手へ正式に知らせる場合⇒「通知」
必要な相手へ事実や決定事項を伝えるときは「通知」を使います。企業から社員への連絡や学校から保護者への案内、行政から住民への連絡などが代表的な例です。
②広く情報を知らせる場合⇒「告知」
多くの人へ情報を広めるときは「告知」を使います。イベントや新商品の案内、キャンペーンの紹介など、広報や宣伝を目的とする場面でよく用いられます。
③事実を相手へ伝える場合⇒「告知」
相手に知ってもらうべき事実を伝えるときは「告知」を使います。医療における病名の告知や、不動産取引における告知義務など、一定の事実を説明する場面で使われることが一般的です。
まとめ
この記事では、「通知」と「告知」の違いを解説しました。
「通知」は特定の相手へ正式に伝える場合、「告知」は広く知らせたり一定の事実を伝えたりする場合に使われることが多い言葉です。
場面に応じて適切に使い分けることで、より自然で正確な日本語表現ができるようになるでしょう。