
コンクリートやモルタルの仕上がりを左右する「下地調整材」には、C-1やC-2といった種類があります。建築現場ではよく使われる名称ですが、それぞれの違いが分からず、どちらを選べばよいのか迷う方も多いでしょう。
実は、両者は見た目が似ていても、施工できる厚さや用途、適した下地が異なります。この記事では、C-1とC-2の違いをはじめ、それぞれの特徴や性能、適切な使い分けについて分かりやすく解説します。
C-1とは
「C-1」とは、JIS A 6916で規定されているセメント系下地調整塗材1種のことです。コンクリートやモルタルの表面を平滑にし、塗料や仕上げ材がしっかり密着するように整えるために使用されます。
C-1は「しごき材」と呼ばれることもあり、比較的平滑な下地に対して、細かな凹凸やピンホールを埋める用途に適しています。施工する厚さは一般的に0.5~1mm程度で、厚く塗ることは想定されていません。
例えば、新しく打設したコンクリート面に小さな気泡跡や微細な傷がある場合、それらを滑らかに整えるためにC-1が使用されます。表面を均一に仕上げることで、その後に施工する塗装や吹付材、防水材などの仕上がりが向上します。
また、C-1は施工性が良く、薄く均一に仕上げやすいことから、住宅・マンション・公共施設など幅広い建築物で採用されています。ただし、大きな段差や深い欠損を補修する能力は高くないため、不陸が大きい下地では十分な効果を発揮できません。
そのため、「下地が比較的きれいな場合の最終調整材」という位置付けで使用されることが多い材料です。
C-2とは
「C-2」とは、JIS A 6916で規定されているセメント系下地調整塗材2種を指します。基本的な役割はC-1と同じですが、より大きな凹凸や不陸を調整できるよう設計されている点が最大の特徴です。
施工厚さは一般的に1~3mm程度で、C-1より厚く施工できます。そのため、コンクリートの打継ぎ部分や型枠の段差、小さな欠けなどを補修する際によく使用されます。
例えば、外壁に2mm程度の凹凸が残っている場合、C-1では十分に平滑化できない可能性があります。そのようなケースではC-2を使用することで、下地全体を均一な状態に整えることが可能です。
また、公共建築工事標準仕様書でも、不陸が比較的大きい場合にはC-2を採用することが推奨されています。これにより、仕上げ材の厚みにムラが生じにくくなり、美観や耐久性の向上につながります。
ただし、C-2にも施工できる厚さには限界があります。3mmを超えるような大きな段差や欠損については、厚塗り用の下地調整材や補修モルタルなどを使用するのが一般的です。
つまり、C-2は「ある程度の凹凸まで補修できる万能タイプの下地調整材」と考えると分かりやすいでしょう。
C-1とC-2の違い
C-1とC-2は、どちらもセメント系下地調整材であり、コンクリートやモルタルの表面を整える目的で使用されます。しかし、最も大きな違いは施工できる厚さと、不陸(凹凸)を調整できる能力にあります。
C-1は、施工厚さが約0.5~1mm程度の薄塗りタイプです。表面の細かなピンホールやヘアクラック跡、わずかな凹凸を平滑にする用途に適しています。下地自体の精度が高く、大きな補修を必要としない場合に使用されることが一般的です。
一方、C-2は約1~3mm程度まで施工できるため、C-1では対応しにくい段差や不陸を補修できます。型枠の継ぎ目やコンクリートの打設ムラ、部分的な欠けなどを調整する場面で多く採用されています。
また、施工後の仕上がりにも違いがあります。C-1は表面をより滑らかに整えることを重視しているため、塗装や吹付仕上げの前処理として適しています。対して、C-2は下地そのものの精度を改善することを目的としているため、多少凹凸が残る下地でも均一な状態へ近づけることができます。
なお、近年はカチオンポリマーを配合した製品の中に、C-1・C-2両方のJIS性能を満たすものも販売されています。しかし、その場合でも施工可能な厚さや用途はメーカーの仕様書を確認することが重要です。
両者を比較すると、次のようになります。
| 比較項目 | C-1 | C-2 |
|---|---|---|
| JIS区分 | セメント系下地調整塗材1種 | セメント系下地調整塗材2種 |
| 標準施工厚 | 約0.5~1mm | 約1~3mm |
| 主な用途 | 微細な凹凸・ピンホール補修 | 不陸・段差の補修 |
| 不陸調整能力 | 小さい | 大きい |
| 適した下地 | 比較的平滑な下地 | 凹凸がある下地 |
| 一般的な呼び名 | しごき材 | 薄塗り調整材 |
それぞれの例文
- 外壁の仕上げ前にC-1を施工し、細かなピンホールを補修した。
- コンクリート面の段差が大きかったため、C-2で下地を調整してから塗装を行った。
- この現場は下地の精度が高かったので、C-1だけで十分に平滑な仕上がりとなった。
- 型枠の継ぎ目が目立っていたため、C-2を使用して不陸を修正した。
- 下地調整材は、C-1とC-2の性能を理解し、下地の状態に応じて使い分けることが重要である。
C-1とC-2の使い分け
C-1とC-2を選ぶ際は、下地の状態を基準に判断することが最も重要です。
下地に目立った凹凸がなく、ピンホールや小さな傷だけを補修したい場合はC-1が適しています。薄く施工できるため、材料の使用量を抑えられ、施工時間も比較的短く済みます。
一方、コンクリート表面に段差や不陸がある場合はC-2を選択します。C-1を厚く塗って補修しようとすると、ひび割れや施工不良の原因になる可能性があるため、本来の用途を超えた使用は避けるべきです。
また、現場では「とりあえずC-2を使えば安心」と考えられることもありますが、必要以上に厚塗りすると材料費や施工時間が増えるだけでなく、乾燥時間も長くなります。反対に、本来C-2を使用すべき下地へC-1を施工すると、十分な補修効果が得られず、仕上げ材の品質にも影響する恐れがあります。
このように、下地の凹凸に応じて適切な種類を選択することが、美しい仕上がりと耐久性の向上につながります。
まとめ
本記事の内容をまとめると、以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| C-1 | 微細な凹凸を整える薄塗り用下地調整材 |
| C-2 | 不陸や段差を補修できる下地調整材 |
| 最大の違い | 施工厚さと不陸調整能力 |
| C-1が適する場面 | 下地が比較的平滑な場合 |
| C-2が適する場面 | 凹凸や段差がある場合 |
| 共通点 | コンクリートやモルタルの下地を整え、仕上げ材の密着性を高める |
C-1とC-2は、どちらも建物の仕上がりを左右する重要な下地調整材ですが、用途は同じではありません。C-1は細かな表面調整、C-2は不陸調整という役割の違いを理解することで、適切な材料を選択できます。
下地の状態に合った種類を使用すれば、仕上げ材の密着性や耐久性が向上し、美しい施工品質を実現できます。施工前には下地の凹凸を十分に確認し、必要に応じてC-1とC-2を正しく使い分けることが大切です。