
工事現場で大きな荷物を吊り上げているクレーンを見ると、「ラフタークレーン」や「ラフテレーンクレーン」という言葉を耳にすることがあります。どちらも建設現場ではよく使われる言葉ですが、「別々の種類のクレーンなのでは?」と疑問に感じる人もいるでしょう。
また、正式名称はどちらなのか、書類や会話ではどの名称を使えばよいのか迷うこともあります。そこで本記事では、ラフタークレーンとラフテレーンクレーンの違い、特徴、使い分けについて分かりやすく解説します。
ラフテレーンクレーンとは
「ラフテレーンクレーン」とは、不整地や狭い場所など、さまざまな工事現場で使用できる移動式クレーンです。「ラフテレーン」は英語の「rough terrain」に由来し、日本語では「悪路」「不整地」といった意味になります。
ラフテレーンクレーンの大きな特徴は、クレーンとして荷物を吊り上げるだけでなく、自走して作業場所まで移動できることです。一般的なラフテレーンクレーンは、1つの運転席で走行とクレーン操作の両方を行える構造になっています。
また、4輪駆動や4輪操舵を採用した車両が多く、舗装された道路だけでなく、造成地や工事中の土地などでも走行しやすいように設計されています。さらに、車体が比較的小さく、小回りが利くため、都市部の建築現場や道路工事など、限られたスペースでの作業にも適しています。
ラフテレーンクレーンは、住宅やビルの建設、土木工事、橋梁工事、設備工事など、幅広い場面で利用されています。
ラフタークレーンとの違い
「ラフタークレーン」と「ラフテレーンクレーン」は、基本的に同じ種類のクレーンを指す言葉です。両者の違いは、クレーンそのものの構造や性能ではなく、主に呼び方にあります。
「ラフテレーンクレーン」がクレーンの種類を表す名称であるのに対して、「ラフタークレーン」は建設業界などで使われてきた通称・呼び方として知られています。
そのため、両者を別々の機械として比較するのは適切ではありません。現場で「ラフターを持ってきて」と言われた場合も、多くの場合はラフテレーンクレーンを意味しています。
ただし、「ラフター」という呼び方が広く定着しているため、一般の人にとっては「ラフタークレーン」という名称のほうが耳なじみがある場合もあります。
一方、仕様書や正式な資料などでクレーンの種類を明確に示したい場合には、「ラフテレーンクレーン」と表記するほうが分かりやすいでしょう。
ラフターの使い方
「ラフター」は、建設現場などでラフテレーンクレーンを指して使われることが多い言葉です。特に現場では「ラフタークレーン」よりも「ラフター」と略して呼ぶケースもあります。
例えば、次のように使われます。
- 明日の現場にはラフターを1台手配してください。
- この資材はラフテレーンクレーンで吊り上げます。
- 現場が狭いため、ラフターの設置場所を確認しておきましょう。
- 大型の資材を搬入するため、ラフタークレーンを使用します。
- 作業開始前に、ラフテレーンクレーンの設置状況を確認してください。
このように、「ラフター」「ラフタークレーン」「ラフテレーンクレーン」は、現場ではほぼ同じ対象を指して使われることがあります。
ただし、文章を書く際には注意が必要です。「ラフター」は正式な機種名称として使う言葉ではなく、一般的な呼び方として定着している言葉だからです。そのため、報告書や仕様書など、正確な名称を求められる場面では「ラフテレーンクレーン」とするほうが適切です。
特徴と用途
ラフテレーンクレーンは、一般的なクレーンとは異なり、現場内を自走できることが大きな特徴です。クレーンを設置した後に別の車両で移動させる必要があるタイプと比べ、現場内での移動がしやすいというメリットがあります。
また、4輪駆動や4輪操舵によって、工事現場のような舗装されていない場所でも走行しやすくなっています。車体の小回りが利くことから、都市部の建設現場や道路工事などでも活躍します。
一方で、ラフテレーンクレーンは基本的に現場内での作業を想定したクレーンです。一般道路を長距離移動することを主な目的とした車両とは性格が異なります。現場までの運搬方法や道路走行については、クレーンの大きさや仕様などによって確認が必要です。
ラフテレーンクレーンと似た移動式クレーンには、オールテレーンクレーンやクローラクレーンなどがあります。オールテレーンクレーンは公道走行を含めた移動性能に優れ、大型の吊り上げ作業にも対応します。一方、クローラクレーンはクローラー(履帯)で走行するため、地盤への対応力や安定性に特徴があります。
このように、同じ「移動式クレーン」でも構造や用途には違いがあります。その中でラフテレーンクレーンは、機動性と現場での作業性を両立したクレーンといえるでしょう。
違いを比較
両者の関係を整理すると、以下のようになります。
| 項目 | ラフタークレーン | ラフテレーンクレーン |
|---|---|---|
| 違い | なし | なし |
| 特徴 | 不整地や工事現場で使われる | 不整地や工事現場で使われる |
| 操作 | 走行とクレーン操作を1つの運転席で行う | 走行とクレーン操作を1つの運転席で行う |
| 用途 | 建築・土木・設備工事など | 建築・土木・設備工事など |
| 使用場面 | 建設現場での会話など | 仕様書・資料など正式な説明 |
この表から分かるように、ラフタークレーンとラフテレーンクレーンは、基本的に別のクレーンではありません。ラフタークレーンは、ラフテレーンクレーンを指す一般的な呼び方として使われています。
まとめ
本記事の内容をまとめると、以下のようになります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ラフテレーンクレーン | 不整地や工事現場で使用される移動式クレーン |
| ラフタークレーン | ラフテレーンクレーンを指す一般的な呼び方 |
| 両者の違い | 基本的にクレーンの種類としての違いはない |
| ラフターの意味 | 現場などでラフテレーンクレーンを略して呼ぶ言葉 |
| 主な特徴 | 自走でき、狭い場所や不整地で作業しやすい |
| 主な用途 | 建築、土木、道路、設備工事など |
| 正式名称 | ラフテレーンクレーン |
| 使い分け | 会話では「ラフター」、正式な文書では「ラフテレーンクレーン」が分かりやすい |
ラフタークレーンとラフテレーンクレーンは、基本的に同じ種類のクレーンを指しています。ラフタークレーンは現場などで使われる一般的な呼び方で、クレーンの種類を表す名称としては「ラフテレーンクレーン」が使われます。
したがって、「ラフタークレーンとラフテレーンクレーンは何が違うのか」と聞かれた場合は、「基本的に同じもので、呼び方が違う」と考えると分かりやすいでしょう。