右側臥位 左側臥位 違い 意味 使い方

日常生活の中ではあまり耳にしない「側臥位(そくがい)」という言葉。しかし、睡眠時の姿勢に関心がある方なら一度は見聞きしたことがあるかもしれません。

「右側臥位」と「左側臥位」は、向きが違うだけで役割や目的に違いが生じることもあります。本記事では、それぞれの意味や特徴、使われ方などを分かりやすく解説していきます。

※本記事は、「右側臥位」「左側臥位」という言葉の意味や使い方を解説するものであり、医療的な助言を目的としたものではありません。

「右側臥位」の意味

 

右側臥位(うそくがい)」とは、体の右側を下にして横になる姿勢を指します。仰向けやうつ伏せとは異なり、体の右側面を地面やベッドに接した状態で休む体位です。

この姿勢は、主に医療や介護の現場で使われることがあり、たとえば、消化の促進や心臓への負担を軽減するために選ばれることがあります。また、左肩や左腰にけがや痛みがある場合、その部位への圧迫を避ける目的でも用いられます。

さらに、長時間同じ姿勢で寝たきりになっている人に対して行われる「体位変換」の一環としても利用されることがあります。

ただし、どの姿勢が適しているかは個々の身体状況や目的によって異なるため、体位の変更が必要な場面では、医療従事者の判断が必要となります。一般的な理解として、このような体位があることを知っておくと、医療や介護の現場で役立つことがあります。

「右側臥位」の例文

  1. 彼は、就寝時は右側臥位で寝ることが多い。
  2. ベッドに横になる際、看護師に右側臥位を指示された。
  3. 利用者の希望により、夜間は右側臥位で寝かせている。
  4. 検査時に、右側臥位を保つように言われた。
  5. 彼女は、右側臥位で寝るようにしています。

「左側臥位」の意味

 

左側臥位(さそくがい)」とは、体の左側を下にして横になる姿勢を指します。

見た目は「右側臥位」と似ていますが、体の重心がかかる方向や内臓の位置関係が異なるため、用いられる場面や目的が変わることもあります。

たとえば、介護や看護の場面では、口腔内に分泌物があるときなど、呼吸や誤嚥(ごえん)に配慮する必要がある場合に「左側臥位」が用いられることがあります。重力の影響で吐しゃ物が排出しやすくなるため、安全な姿勢の一つとして選ばれることもあります。

ただし、この姿勢が常に望ましいとは限らず、体格や症状、体調などによって適切な体位は異なります。そのため、体位を調整する際には、状況に応じた判断が求められます。

「左側臥位」の例文

  1. 体調が優れず、左側臥位で休んでいた。
  2. 看護師が、患者に左側臥位を促していた。
  3. 食後しばらくは、左側臥位で横になった。
  4. 彼女は、寝るときは左側臥位に調整する。
  5. 病室で検査前に左側臥位をとって待機した。

「右側臥位」と「左側臥位」の違い

右側臥位 左側臥位 違い

「右側臥位」と「左側臥位」の違いは、次のように整理することができます。

項目 右側臥位 左側臥位
姿勢 右側を下にして横になる 左側を下にして横になる
身体への配慮 心臓や肝臓の位置に配慮が必要なときに使われることがある 消化の流れや誤嚥予防を意識して使われる場合がある
活用される場面例 介護・看護の場面、検査時の体位保持など 嘔吐時の安全姿勢、休息時の体位保持など
注意点 状況により消化の流れに影響する場合がある 心臓や肺への圧迫に配慮が必要なこともある

「右側臥位」と「左側臥位」は、どちらも側臥位と呼ばれる姿勢で、横向きになって体を休める際の体位です。違いは主に「どちらの側を下にするか」にありますが、それによって身体にかかる影響や使われる場面が変わることがあります。

「左側臥位」は、食道や胃の形状、重力の影響などを考慮し、呼吸しやすさや誤嚥のリスク軽減などの面で用いられることがあります。一方で、「右側臥位」は、内臓への圧迫が少なく、心臓への配慮が必要な場面などで選ばれる場合があります。

とは言え、これらの姿勢が特定の症状に効果的かどうかは、医学的判断が必要です。自己判断で使用するのではなく、医師や看護師などの医療従事者の助言を受けることが重要です。

「右側臥位」と「左側臥位」の覚え方

 

「右側臥位」と「左側臥位」は、混同しやすい言葉ですが、簡単な覚え方があります。それは「患者本人の右側(または左側)が下になっている」と考える方法です。

たとえば、「右側臥位」であれば、患者さんの右肩や右腰が床やベッドについている状態を指します。混乱を避けるために、「右・左」は必ず患者本人の視点で判断するというルールを意識するとよいでしょう。

また、ベッドサイドで患者さんを観察する場合、自分の位置によって左右が逆に見えることがありますが、それでも「患者本人にとっての左右」を基準にすることが大切です。こうした意識を持つことで、チーム内での誤解や伝達ミスも防げます。

まとめ

 

この記事では、「右側臥位」と「左側臥位」の違いを解説しました。どちらも横向きで休む姿勢であり、体の構造や目的によって使い分けられることがあります。

それぞれの姿勢にはメリットや注意点があり、正しい知識を持って活用することが大切です。ただし、体位に関する判断や変更が必要な場合は、必ず専門家に相談するようにしましょう。