危ない 危うい 違い 使い分け 意味 例文

「危ない」と「危うい」。どちらも普段からよく使われている言葉ですが、違いを意識したことはありますか?

実はこの二つは似ているようで、意味が微妙に異なります。本記事では、「危ない」と「危うい」の違いを具体例とともに詳しく解説していきます。

「危ない」の意味

 

危ない」は、目の前に迫る危険やリスクが高い状況を指します。

具体的には、物理的な危険(事故・怪我)、社会的なリスク(犯罪・トラブル)、心理的な不安(ストレス)など、さまざまな場面で使われます。

この言葉は、危険が差し迫り、実際に発生する可能性が高いときに用いられるのが特徴です。例えば、「崖の近くを歩くのは危ない」は転落の恐れを示し、「夜のこの道は危ない」は犯罪や事故のリスクを意味します。

また、「危ない」は他者に危害を及ぼす可能性がある場合にも使われます。例えば、「あの運転手は危ない」は、乱暴な運転が周囲に危険をもたらすことを指します。

このように、「危ない」は具体的な危険を強調する言葉として日常的に使われ、カジュアルな表現としても自然に用いられます。誰にでも伝わりやすいのがこの言葉の特徴です。

「危ない」の例文

  1. この橋は老朽化が進んでいて、渡るのは危ない
  2. 子どもが道路に飛び出そうとしていて、危ない状況だった。
  3. 運転中にスマートフォンを操作するのは危ない行為だ。
  4. 彼の発言は極端すぎて、少し危ない思想に感じる。
  5. この投資案件はリスクが高く、危ないかもしれない。

「危うい」の意味

 

一方、「危うい」は、物事の成り立ちや継続が不安定であり、崩れる可能性がある状態を指します。

「危ない」が直接的な危険を示すのに対し、「危うい」はやや抽象的で、未来に対する不安を含んでいるのが特徴です。

例えば、「試合の勝敗が危うい」「会社の存続が危うい」のように、「成功するかどうか」「続けられるかどうか」が不確実な状況で使われます。これは、「危うい」が主体の存立や継続に関するリスクを強調するためです。

また、「危うい」は日常会話ではあまり使われず、ビジネスシーンや文章表現で使われることが多い点も特徴の一つです。

「危うい」の例文

  1. 会社の資金繰りが厳しく、存続が危うい状態にある。
  2. 彼の病状は回復してきたが、まだ危うい状況だ。
  3. プロジェクトの進行が遅れ、成功するかどうかが危うい
  4. 前半はリードしていたが、終盤になって勝利が危うい展開になった。
  5. 政治家の発言が問題視され、彼の立場が危ういものになってきた。

「危ない」と「危うい」の違い

危ない 危うい 違い

「危ない」と「危うい」の違いは、次のように整理することができます。

危ない 危うい
意味 直接的な危険やリスクがある状態 物事の存続や継続が不安定で崩れそうな状態
使われる場面 物理的な危険・他者への危害・抽象的なリスク 勝敗・存続・将来の不安
例文 「この橋は崩れそうで危ない」 「この会社は経営が危うい」
ニュアンス 目の前の危険を指すことが多い 未来に向けた不安を含む

「危ない」は、物理的な危険や他者への危害を指すことが多く、具体的な危険性が迫っている場合に使われます。「車がスピードを出しすぎていて危ない」「高いところに立っていて危ない」などのように、目の前の危険を直接示します。

一方、「危うい」は、抽象的な意味合いが強く、物事が破綻しそうな状態や成功が不確実な状況で使われます。「試合に負けそうで危うい」「会社の経営が危うい」などのように、物事が成り立つかどうかが不安定な状況を表します。

「危うい」は「危ない」と異なり、直接的な危険よりも、将来的な不安定さやぎりぎりの状態を示すことが多いのが特徴です。

さらに、「危ない」は日常会話でよく使われますが、「危うい」はやや硬い表現で、文章やフォーマルな場面で使われることが多いです。

このように、「危ない」は身近な危険やリスクを指し、「危うい」はより抽象的で将来的な不安定さを示すという違いがあります。

「危ない」と「危うい」の使い分け

 

「危ない」と「危うい」を正しく使い分けるためには、それぞれのニュアンスを理解することが重要です。

1. 直接的な危険かどうか

「危ない」は目の前の危険を指し、「危うい」は未来の不安定さを指します。例えば、「崖の近くに立つのは危ない」ですが、「崖の構造が弱くなってきていて、将来的に崩れそうな状況」は「危うい」となります。

2. 継続の不安定さがあるかどうか

「危うい」は、物事が成り立つかどうかの危機的状況で使います。例えば、「この会社の業績は悪化しており、存続が危うい」といった場合、すぐに倒産するわけではなくても、不安定な状態を指しています。

3. 日常会話とフォーマルな場面での違い

「危ない」は日常会話でよく使われますが、「危うい」は文章表現やビジネスシーンでの使用が多く、話し言葉ではあまり使われません。「危ない」が日常語で、「危うい」が文語的な表現と考えると分かりやすいです。

まとめ

 

本記事では、「危ない」と「危うい」の違いについて解説しました。「危ない」は具体的で身近な危険を指し、「危うい」は物事の存続や成功が不安定な状態を指します。

日常会話では「危ない」が頻繁に使われる一方、「危うい」は文章やビジネスシーンで使われることが多いです。これらの違いを理解し、適切に使い分けることで、より正確な表現ができるようになります。