
「共創」と「協創」は、どちらも「きょうそう」と読む言葉です。最近では、ビジネスや行政、地域づくりの現場でも頻繁に見かけるようになっています。
しかし、この二つは漢字が似ているため、意味や使い方が分かりにくいと感じる人も少なくありません。本記事では、それぞれの意味を具体例を交えてわかりやすく解説していきます。
「共創」の意味
「共創(きょうそう)」とは、立場の異なる人や組織が、対等な関係で共に価値を生み出すことを意味します。
「共」という漢字には「いっしょに」「分かち合う」という意味があり、その語源からも、一体感や対等性が強調されていることが分かります。
近年では、企業と顧客が一緒に商品を開発する取り組みや、行政と市民が地域課題を解決する活動などにおいて使われることが増えました。単なる協力ではなく、参加者全員が主体的に関わる点が特徴です。
たとえば、新しいサービスを考える際に、企業側だけでなく利用者の意見を取り入れながら形にしていく場合、それは「共創」と表現されます。上下関係よりも、対話と共感を重視する姿勢が込められている言葉です。
「共創」の例文
- 企業は、地域住民と共創し、新しい観光プランを作り上げた。
- 私たちは、学生と共創し、学習支援の仕組みを考えている。
- その団体は、市民と共創するまちづくりを進めている。
- 会社は、利用者と共創し、使いやすいアプリを開発した。
- 行政は、若者と共創し、地域イベントを企画した。
「協創」の意味
「協創(きょうそう)」とは、複数の人や組織が協力し合いながら新しい成果を生み出すことを意味します。
「協」という漢字には「力を合わせる」「助け合う」という意味があり、連携や役割分担を前提とした活動を表します。
たとえば、企業同士が技術を持ち寄って製品を開発する場合や、部署ごとに役割を分担してプロジェクトを進める場合などに使われます。
「共創」と比べると、対等性そのものよりも、協力体制や組織的な連携に重点が置かれます。目的が明確で、それぞれが自分の役割を果たすことで成果を生み出す場面に適した表現です。
このように、「協創」は、共通の目標に向けて力を合わせる姿勢を強調する言葉です。
「協創」の例文
- 二つの企業は、技術を持ち寄り協創で新製品を開発した。
- 各部署は、連携して協創プロジェクトを進めている。
- 大学と企業は、研究分野で協創体制を築いた。
- 私たちは、専門家と協創し、新しい制度を設計した。
- 地域団体は、行政と協創し、防災対策を強化した。
「共創」と「協創」の違い
「共創」と「協創」の違いは、次のように整理することができます。
| 項目 | 共創 | 協創 |
|---|---|---|
| 読み方 | きょうそう | きょうそう |
| 漢字の意味 | 共に(対等に) | 協力して |
| ニュアンス | 一体感・対等性 | 連携・役割分担 |
| 主な使用場面 | 企業と顧客、地域づくり | 組織間連携、プロジェクト推進 |
| 強調点 | 共に価値を生み出す姿勢 | 協力体制による成果創出 |
「共創」は、「共に創る」という意味で、立場の異なる人や組織が対等な関係でアイデアを出し合い、新たな価値を生み出すことを指します。
企業と顧客、行政と市民などが一体となってサービスや仕組みを作る場面でよく使われます。近年のビジネス用語として広まり、オープンイノベーションや地域活性化の文脈で目にすることが多い言葉です。
一方の「協創」は、「協力して創る」という意味合いが強く、役割分担や連携を前提にしながら成果を生み出すニュアンスがあります。上下関係がある場合や、明確な目標に向けて力を合わせる場面で用いられることが多く、やや実務的・組織的な響きを持ちます。
つまり、対等性や一体感を強調するなら「共創」、協力体制や連携の仕組みを強調するなら「協創」と考えると分かりやすいでしょう。
「共創」と「協創」の使い分け
それでは、実際に両者をどのように使い分ければよいのでしょうか?以下に、場面ごとの使い分け方を簡単に示します。
①対等な立場でアイデアを出し合う場合⇒「共創」
立場の違いを越えて同じ目線で取り組むときは「共創」を使います。参加者全員が主体となる活動のときは「共創」が適切です。
②役割分担をして連携する場合⇒「協創」
それぞれの専門性を生かして進めるときは「協創」を使います。明確な分担や協力体制がある場合は「協創」が自然です。
③組織間のプロジェクトを説明する場合⇒内容で判断
この場合、対話や共感を強調したいときは「共創」を使います。対して、連携や協力の仕組みを示したいときは「協創」を選びます。
※強調したいポイントが「対等性」か「協力体制」かを意識すると、誤解を防ぐことができます。
まとめ
この記事では、「共創」と「協創」の違いを解説しました。どちらも新しい価値を生み出す活動を表す言葉ですが、重視する視点が異なります。
対等な立場で共に生み出す姿勢を示すなら「共創」、役割分担や協力体制を強調するなら「協創」が適切です。場面に応じて使い分けることで、より正確に意図を伝えることができるでしょう。