
「宣伝」と「告知」は、どちらも商品やサービスなどの情報を人に伝える場面で使われる言葉です。しかし、似た場面で使われるため、意味の違いが分かりにくいことがあります。
誤った使い方をすると、相手に誤解を与えてしまうかもしれません。本記事ではそれぞれの意味を、具体例を交えてわかりやすく解説していきます。
「宣伝」の意味
「宣伝(せんでん)」とは、商品・サービス・企業・イベントなどの特徴を広く知らせ、利用や購入などを促すことです。「宣」は広く知らせること、「伝」は伝えることを表す漢字で、情報を多くの人に伝えるという意味につながっています。
宣伝は、単に情報を知らせるだけでなく、「欲しい」「利用してみたい」「参加してみたい」と思ってもらうことが重視されます。そのため、商品の特徴やメリット、価格、便利さなどを強調した表現がよく使われます。
たとえば、企業が新商品の広告を出したり、飲食店が新メニューの魅力をSNSで紹介したりする場合は、宣伝に当たります。また、映画の予告映像や店舗のキャンペーン紹介なども、広い意味では宣伝といえるでしょう。
つまり宣伝は、「知ってもらう」だけでなく、「興味を持ってもらい、行動につなげること」を意識した情報発信と考えると分かりやすくなります。
「宣伝」の例文
- 新商品が発売されるため、会社では積極的に宣伝を行っています。
- 店頭に大きなポスターを掲示し、新サービスの宣伝を始めました。
- 人気の料理をSNSで紹介することも、お店にとって重要な宣伝です。
- 新作映画の宣伝として、出演者がテレビ番組に出演しました。
- その企業は、商品の魅力を動画で分かりやすく宣伝しています。
「告知」の意味
「告知(こくち)」とは、予定・決定事項・変更事項などの必要な情報を、相手に知らせることです。「告」は伝えることや知らせること、「知」は知ることを表しており、必要な事柄を相手に知らせるという意味になります。
告知では、商品やサービスの魅力を強く訴えることよりも、「何が行われるのか」「いつなのか」「何が変更されたのか」などを正確に知らせることが重視されます。
たとえば、イベントの開催日時を知らせたり、店舗の臨時休業を知らせたりする場合は「告知」を使います。企業が新商品の発売日を知らせることも告知に含まれます。
また、告知は必ずしも販売や利用を促す目的を持っているわけではありません。相手が必要な情報を把握できるように知らせることが中心です。そのため、公式サイトやSNS、掲示板、メールなど、さまざまな方法で行われます。
このように、告知は「相手に必要な情報を知らせ、知ってもらうこと」に重点を置いた言葉といえます。
「告知」の例文
- イベントの開催日時について、公式サイトで告知されました。
- 店舗の臨時休業は、入口の掲示とSNSで告知しています。
- 新商品の発売日が決まり、来週から正式に告知される予定です。
- 重要な変更事項については、事前に利用者へ告知してください。
- 番組の終了が発表され、視聴者にも正式に告知されました。
「宣伝」と「告知」の違い
「宣伝」と「告知」の違いは、次のように整理することができます。
| 比較項目 | 宣伝 | 告知 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 商品・サービスなどを広め、利用や購入を促す | 情報や予定などを知らせる |
| 重視する点 | 魅力・メリット・訴求力 | 正確な情報・周知 |
| 対象 | 顧客や見込み客など | 関係者・一般の人など |
| 例 | 商品の宣伝、店の宣伝 | イベントの告知、休業日の告知 |
両者を区別するときは、「何のために情報を伝えているのか」に注目すると理解しやすくなります。
宣伝は、商品やサービスなどの魅力を伝え、相手の関心を高めることに重点があります。「この商品は便利です」「このイベントは楽しめます」といった情報を加え、購入や利用、参加などの行動につなげることが目的です。そのため、広告やキャンペーン、SNSでの紹介などと相性がよい言葉です。
一方、告知は、予定や決定事項などを相手に知らせることが中心です。開催日時、発売日、休業日、サービス内容の変更など、知っておく必要がある情報を伝える場合に使われます。そこに商品の魅力や購入を促す表現が必ず含まれるわけではありません。
たとえば、新商品の発売日を「9月1日に発売します」と知らせるだけなら、基本的には告知です。そこに「新しい機能を搭載した便利な商品です」といった魅力を加えて購入を促すなら、宣伝の性格が強くなります。
ただし、実際の情報発信では、宣伝と告知が重なることも珍しくありません。新商品の発売を知らせながら商品の魅力を紹介する場合などは、告知と宣伝の両方の役割を持つと考えられます。
つまり、簡単に覚えるなら、「知らせること」が中心なら告知、「魅力を伝えて行動を促すこと」が中心なら宣伝です。同じ情報を扱っていても、発信する目的によって適切な言葉が変わります。
「宣伝」と「告知」の使い分け
それでは、実際に両者をどのように使い分ければよいのでしょうか?以下に、場面ごとの使い分け方を簡単に示します。
①商品やサービスの魅力を広めたい場合⇒「宣伝」
商品の魅力を広めたいときは「宣伝」を使います。特徴やメリットなどを紹介して、購入や利用につなげたい場面に適した表現です。
②予定や決定事項を知らせたい場合⇒「告知」
予定や決定事項を知らせるときは「告知」を使います。開催日時や休業日、発売日など、相手に知っておいてほしい事実を伝える場合に向いています。
③知らせると同時に利用や購入も促したい場合⇒「宣伝」
情報を知らせるだけでなく、商品やサービスへの関心を高めたいときは「宣伝」を使います。内容によっては告知の要素も含まれますが、魅力を訴えて行動を促すなら宣伝が適切です。
※両者は完全に分離されるものではありません。イベントの開催を知らせる「告知」に参加を促す内容が加わるなど、一つの情報発信に両方の性質が含まれる場合もあります。
まとめ
この記事では、「宣伝」と「告知」の違いを解説しました。
「宣伝」は商品やサービスなどの魅力を伝え、購入・利用・参加などを促すことが中心です。「告知」は予定や決定事項などを相手に知らせ、必要な情報を知ってもらうことが中心となります。
迷ったときは、「魅力を伝えて行動を促すなら宣伝」「必要な情報を知らせるなら告知」と考えると、使い分けやすくなります。