「推挙」と「推薦」の違いとは?意味と使い分けを解説

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「推挙」と「推薦」は、どちらも人物を評価して他者に示す場面で使われる言葉です。しかし、それぞれの語には、使われる場面に明確な違いがあります。

適切な使い分けを理解することで、文章表現やビジネス文書にも自信を持って使えるようになります。本記事では、それぞれの意味を具体例を交えてわかりやすく解説していきます。

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目次

「推挙」の意味

推挙(すいきょ)」とは、人物の能力や徳を高く評価し、ふさわしい立場に取り立てることを表します。

一般的な紹介というよりも、格式や権威のある場面で使われる言葉です。たとえば、役職への就任や表彰、式典に関わる文書など、公的で慎重な判断が求められる場で使われます。

また、「推挙」は原則として対象が「人」に限られる点も特徴です。商品・サービス・作品などには用いません。

さらに、「推挙」は特定の人物や権威ある立場の者による“見立て”というニュアンスが強く、重みのある表現として扱われます。そのため、儀礼的な文書の語彙として適しています。

日常会話ではあまり使われませんが、文章全体の印象を引き締めたいときや、敬意を込めたいときに選ばれやすい語といえます。

「推挙」の例文

  1. 私は、長年地域に貢献してきた彼を功績者として推挙した。
  2. 委員会は、豊富な経験をもつ彼女を次期会長として推挙した。
  3. 校長は、学業と品行に優れた生徒を表彰候補として推挙した。
  4. 町内会の役員たちは、住民の信頼を得ている佐藤さんを代表に推挙した。
  5. 上司は、部下の努力を認めて研究グループのリーダーに推挙した。
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「推薦」の意味

推薦(すいせん)」とは、適任者として他者に勧めることを表します。

日常生活からビジネス、進学、就職など幅広い場面で使われています。人物だけでなく商品・サービスなど物事全体にも用いられる柔軟な語であり、場面を選ばず使いやすい点が特徴です。

たとえば、「推薦状」や「推薦入試」など制度に組み込まれた形でも広く使われており、聞きなじみのある語といえるでしょう。

また、「推薦」には権威性や格式の高さよりも、「この人物が適している」という実務的・現実的な判断が反映されます。複数の人が候補を推薦するケースも多く、特別に堅い表現というわけではありません。

文章表現としても広く使えるため、日常的な紹介からビジネスの場面まで幅広い用途に対応できます。推挙と比べて使う場面の制限が少なく、現代語としても使用頻度が高い言葉です。

「推薦」の例文

  1. 先生は、熱意のある生徒を進学先の大学に推薦した。
  2. 部長は、業績の高い社員を昇進候補として推薦した。
  3. 私が推薦した映画は、友人にも好評だった。
  4. 友人は、自分が信頼しているお店を私に推薦した。
  5. 社員たちは、協調性のある同僚を委員会のメンバーとして推薦した。
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「推挙」と「推薦」の違い

「推挙」と「推薦」の違いは、次のように整理することができます。

観点推挙推薦
語感格式・儀礼的で重い一般的で広く使われる
主な対象人物のみ人物・商品・サービスなど幅広い
使用場面叙勲、人事、儀礼進学、就職、商品紹介など
ニュアンス能力・徳を高く評価して取り立てる適任として勧める、紹介する
使用頻度堅く頻度は少なめ非常に多く日常的

「推薦」は、日常からビジネス、学校、就職活動など幅広い領域で使われる一般的な語です。

「この人が適任です」と第三者に勧める行為を指し、人物だけでなく商品・作品・サービスなど多様な対象にも使われます。また、推薦状・推薦入試など、制度的に定着した語としても用いられます。

一方で「推挙」は、より格式の高い語で、主に人物に限定して使われます。特に地位や役職に就ける際に「その人の能力や徳を高く評価し、ふさわしい者として取り立てる」というニュアンスが強い点が特徴です。

公の場や儀礼的な文脈で使われる傾向があり「推挙される栄誉にあずかる」など、尊敬語と相性が良い表現でもあります。

また、「推薦」は複数者が形式的に行うことも多いのに対し、「推挙」は「権威ある人が見立てて取り立てる」という重みが伴うことが多い点も違いの一つです。

そのため、文章の格を上げたいときや儀礼・叙勲・人事に関する文面では「推挙」が選ばれ、一般的な紹介・進学・就職などの実務的な場面では「推薦」が使われることが多いです。

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「推挙」と「推薦」の使い分け

それでは、実際に両者をどのように使い分ければよいのでしょうか?以下に、場面ごとの使い分け方を簡単に示します。

① 役職・表彰など格式のある場合 ⇒ 「推挙」

格式のある場面、人の徳や功績を評価する場面のときは「推挙」を使います。文章に重みをもたせたいときにも適しています。

② 進学・就職・日常の紹介の場合 ⇒ 「推薦」

進学や就職の場面、または商品やサービスを紹介するときは「推薦」を使います。幅広い対象に使えるため、基本はこちらを使えば自然です。

③ 多数の人が候補を挙げる場合 ⇒ 「推薦」

複数者が候補を挙げる場合や制度として候補を出す場合は「推薦」を使います。推挙は個人の見立てという意味合いが強いため、この場面では適しません。

※「推挙=格式・人物専用」「推薦=一般的・対象広め」と覚えると使い分けがしやすくなります。

まとめ

この記事では、「推挙」と「推薦」の違いを解説しました。「推挙」は格式の高さや人物への評価を示す場面で使われ、「推薦」はより広い対象に使える一般的な表現です。

ビジネス文書で適切な表現を選ぶためにも、両者の違いを理解しておくことは大切です。用途に応じて正しく使い分ければ、より自然で読みやすい表現になります。

「推薦」と似た言葉で混同しやすいのが「擁立」です。正しく使い分けたい方は、以下の記事もあわせて読むと理解がより深まります。

「推薦」と「擁立」の違いとは?意味と使い分けを解説

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この記事を書いた人

大学卒業後、出版会社へと就職。退職後はフリーライターとして独立し、現在は言葉の意味や違いなど、日々の生活やビジネスに役立つ情報を発信しています。皆さんに「なるほど」と思ってもらえる内容をお届けすることを心がけています。

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