
「主幹」と「主管」は、どちらも「しゅかん」と読む言葉です。しかし、読み方が同じであるため、意味の違いが分かりにくいと感じる人も少なくありません。
ビジネスでは、役職名として見かけることもあれば、部署の説明として使われることもあります。本記事ではそれぞれの意味を、具体例を交えてわかりやすく解説していきます。
「主幹」の意味
「主幹(しゅかん)」とは、組織や事業の中心となって重要な役割を担う人や立場を指す言葉です。
「主」は「中心・主体」を意味し、「幹」は木の幹のように「物事の根本や中核」を表します。この二字が合わさることで、「全体を支える中心的存在」という意味合いが生まれました。
企業や官公庁では、一定の専門性や経験を備えた職員に対して「主幹」という職名を与える場合があります。たとえば、技術分野では「主幹技師」、出版業界では「編集主幹」などのように使われます。これは単なる担当者ではなく、分野の中核を担う立場であることを示しています。
つまり「主幹」は、組織の中で中心的な役割を果たす人物や役職を表す語であり、責任の重さや専門性の高さを含んだ表現といえます。
「主幹」の例文
- 彼は、企画部の主幹として新規事業を統括している。
- 技術開発の主幹が、会議で方針を説明した。
- 編集主幹として、誌面全体の構成を監督する。
- 研究部門の主幹が、計画の進行を管理している。
- この計画は、営業主幹が中心となって推進した。
「主管」の意味
「主管(しゅかん)」とは、特定の業務や分野について責任をもって管理・統括すること、またはその担当部門を指す言葉です。
「主」は中心となることを意味し、「管」は管理・管轄することを表します。ここでは「中心的に管理する」という意味が強調されています。
行政や企業では、「この業務は総務部が主管する」「主管課は人事課である」などのように用いられます。これは、どの部署がその業務について責任を持つのかを明確にするための表現です。
したがって、「主管」は人物そのものよりも、業務を統括する立場や部門に焦点が置かれます。役職名として使われることもありますが、多くは業務の管轄関係を示す場面で用いられる語です。
「主管」の例文
- 本事業は、総務部が主管として全体を統括している。
- この制度は、人事課が主管して運営している。
- 予算執行は、財務部が主管することとなった。
- 安全対策は、技術部が主管として担当する。
- 本案件は、企画課が主管して処理を進める。
「主幹」と「主管」の違い
「主幹」と「主管」の違いは、次のように整理することができます。
| 項目 | 主幹 | 主管 |
|---|---|---|
| 読み方 | しゅかん | しゅかん |
| 主な意味 | 組織や分野の中心となる人・役職 | 特定の業務を管理・統括すること |
| 焦点 | 人・役職(立場) | 業務・管轄・権限 |
| 使用例 | 主幹技師、編集主幹 | 主管課、主管する |
| ニュアンス | 中心的・中核的な存在 | 責任をもって管理する立場 |
「主幹」は、組織や物事の中心となって重要な役割を担う人や立場を指す言葉です。つまり、組織の中で中心的に機能する“立場”や“人”に重点がある言葉です。
一方、「主管」は、特定の業務や分野について責任をもって管理・統括すること、またはその担当部門を指します。つまり、どの部署が責任を持って運営するかという“管轄”や“権限”に焦点がある言葉です。
たとえば、あるプロジェクトにおいて、中心となって指揮を執る人物は「主幹」と表現されます。しかし、そのプロジェクトを正式に管理・統括している部署を示す場合には「主管部署」という言い方になります。
このように、「主幹」は中心的役割を果たす人物・役職を表し、「主管」は特定の業務を管理する立場や部門を示す点が大きな違いです。
「主幹」と「主管」の使い分け
それでは、実際に両者をどのように使い分ければよいのでしょうか?以下に、場面ごとの使い分け方を簡単に示します。
①人物の役職や中心的立場を示す場合⇒「主幹」
組織の中心となる人物や役職を示すときは「主幹」を使います。専門分野の責任者や部門の中核を担う立場を表す際に用いられる語です。
②業務の管轄部署を示す場合⇒「主管」
特定の業務をどの部署が担当するかを示すときは「主管」を使います。規定や通知文において、責任の所在を明確にする目的で記載されます。
③制度上の所管関係を明示する場合⇒「主管」
制度や事業の正式な管轄関係を示すときは「主管」を使います。条例や要綱などの公的文書で、担当課を定める場面で用いられます。
まとめ
「主幹」は組織や分野の中心となる人物や役職を表す語であり、「主管」は特定の業務を管理・統括する立場や部署を示す語です。
読み方は同じでも、焦点の置き方が異なります。人物を強調するのか、業務の管轄を示すのかを意識すれば、適切に使い分けることができるでしょう。