「いきなり」と「突然」の違いとは?意味と使い分けを解説

「いきなり」と「突然」は、どちらも物事が予想外に起こる場面で使われる言葉です。しかし、似た意味を持つ一方で、使われ方には微妙な違いがあります。

会話では同じように使える場面も多いため、どちらを選べばよいか迷うこともあるでしょう。本記事ではそれぞれの意味を、具体例を交えてわかりやすく解説していきます。

目次

「いきなり」の意味

いきなり」とは、前の段階や手順を飛ばして、急に何かをすること、または前触れなく急に物事が起こることを表す副詞です。「突然」「急に」とほぼ同じ意味で使われる場合もありますが、「いきなり」には、途中の段階を省いて物事が進むというニュアンスがあります。

たとえば、説明を聞いてから作業を始めるべきなのに、説明を聞かずに作業を始めれば「いきなり作業を始めた」と表現できます。また、「いきなり怒り出す」「いきなり雨が降る」のように、予想していなかったことが急に起こる場合にも使えます。

「いきなり」は日常会話でもよく使われる、比較的くだけた表現です。なお、漢字で「行き成り」と表記されることもありますが、一般的にはひらがなの「いきなり」と書くことが多いです。

「いきなり」の例文

  1. 彼は会議の説明も聞かないまま、いきなり作業を始めたので周囲が驚いた。
  2. 駅に着いた途端、いきなり大雨が降り出してしまい、帰宅するのが難しくなった。
  3. 準備がまだ整っていないのに、いきなり本番へ進むのは危険なので避けたほうがよい。
  4. 静かだった店内で、いきなり大きな音が響いたため、客たちは一斉に振り向いた。
  5. 彼女は、前置きもなくいきなり本題について質問を始めたので、相手は戸惑った。

「突然」の意味

突然(とつぜん)」とは、予想していなかったことが、不意に起こるさまを表す言葉です。前触れがなく、ある出来事が急に発生したことを伝えるときに使われます。「突然雨が降り出す」「突然電話が鳴る」「突然現れる」など、さまざまな出来事に用いることができます。

「突然」は、物事の手順を飛ばしたことよりも、その出来事が予期せず起こったことに重点が置かれます。そのため、天候の変化や事故、体調の変化、予定の変更など、本人が予測していなかった出来事を客観的に表現する場合にも適しています。

「突然」は日常会話だけでなく、ニュースや説明文など、比較的改まった文章でも使いやすい表現です。「突然の雨」「突然の知らせ」「突然の出来事」のように、名詞を修飾する形でもよく使われます。

「突然」の例文

  1. 帰宅途中、突然強い風が吹き始めたため、持っていた傘が壊れてしまった。
  2. 何の連絡もなく、突然予定が変更されたため、参加者は対応に困った。
  3. 昼食を終えた直後、突然電話が鳴ったので、彼は急いで席を離れて応対した。
  4. 長く元気だった祖父が、突然体調を崩したため、家族に連絡して病院へ向かった。
  5. 晴れていた空から突然激しい雨が降り始め、道路は短時間で一気に濡れてしまった。

「いきなり」と「突然」の違い

「いきなり」と「突然」の違いは、次のように整理することができます。

いきなり突然
基本的な意味急に・前の段階を飛ばして不意に・予期せず
前触れのない出来事
手順・段階を飛ばす
唐突な行動
客観的な出来事
会話での使用よく使うよく使う
ニュアンス唐突さ・手順を飛ばす感じ予期しない出来事

両者は「急に」「不意に」という意味が重なるため、同じ文章で置き換えられる場合も少なくありません。たとえば、「いきなり雨が降ってきた」と「突然雨が降ってきた」は、どちらも自然な表現です。このような場合、「いきなり」は急に起こったことへの驚きや唐突さを感じさせ、「突然」は予想していなかった出来事が発生したことを客観的に伝えます。

特に違いが表れやすいのが、本来あるはずの手順や段階を飛ばす場合です。「説明を聞かずに、いきなり作業を始める」「設定をせず、いきなりパソコンを使う」のように、「いきなり」は途中の段階を省いて次の行動へ進むことを表せます。ここでは「突然」に置き換えると、「予期せず起こった」という意味が強くなり、手順を飛ばしたという意図が伝わりにくくなります。

一方、「突然」は、ある出来事が前触れなく発生したことを表すのが得意です。「突然電話が鳴った」「突然予定が変更された」「突然雨が降り出した」など、出来事そのものが予想外だったことを示す場合に適しています。

ただし、「いきなり」と「突然」を完全に別の言葉として区切ることはできません。「突然怒り出した」と「いきなり怒り出した」のように、どちらも自然なケースがあります。したがって、「いきなりは手順を飛ばす場合にも使える」「突然は予期せず出来事が起こることに重点がある」と捉えると、両者の違いを理解しやすくなります。

「いきなり」と「突然」の使い分け

それでは、実際に両者をどのように使い分ければよいのでしょうか?以下に、場面ごとの使い分け方を簡単に示します。

①手順や段階を飛ばす場合⇒「いきなり」

手順や段階を飛ばして次の行動に進むときは「いきなり」を使います。「説明を受ける」「準備する」といった本来の過程を省いて、すぐに行動するという唐突さを表現できます。

②予期しない出来事が起こる場合⇒「突然」

予想していなかった出来事が不意に起こったときは「突然」を使います。天候の急変や予定の変更、電話が鳴るなど、出来事そのものが予想外だったことを伝えるのに向いています。

③前触れなく急に起こる場合⇒「いきなり」「突然」

前触れなく何かが急に起こった場合は、「いきなり」「突然」のどちらも使えます。「いきなり」は唐突さを、「突然」は予期しなかった出来事という印象を強めるため、伝えたいニュアンスによって選ぶとよいでしょう。

※「突然」は手順を飛ばす場面で絶対に使えないわけではありませんが、手順を省いたことを明確に伝えたい場合は「いきなり」のほうが自然です。

まとめ

この記事では、「いきなり」と「突然」の違いを解説しました。

「いきなり」は、前の段階や手順を飛ばして急に何かをする場合や、前触れなく物事が起こる場合に使われます。「突然」は、予想していなかった出来事が不意に起こることを表し、前触れのない出来事を客観的に伝えるときに適しています。

両者は置き換えられる場合も多いものの、手順を飛ばしたことを強調するなら「いきなり」、予期しない出来事を表すなら「突然」と考えると使い分けやすくなります。

この記事を書いた人

大学卒業後、出版会社へと就職。退職後はフリーライターとして独立し、現在は言葉の意味や違いなど、日々の生活やビジネスに役立つ情報を発信しています。皆さんに「なるほど」と思ってもらえる内容をお届けすることを心がけています。




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