「質疑回答」と「質疑応答」の違いは?意味と使い分けを解説

「質疑回答」と「質疑応答」は、どちらも質問に関する場面で使われる言葉です。しかし、似たような意味を持つため、どちらを使えばよいのか迷うことも少なくありません。

特に、会議や説明会、入札資料、ビジネス文書などでは、それぞれの言葉が異なる意味で使われています。本記事ではそれぞれの意味を、具体例を交えてわかりやすく解説していきます。

目次

「質疑回答」の意味

質疑回答(しつぎかいとう)」とは、質問とそれに対する回答をまとめたもの、または質問に対して回答することを指す言葉です。

「質疑」は質問や疑問を投げかけること、「回答」はその質問に対して答えることを意味します。そのため、「質疑回答」は質問と回答が対応した内容そのものを表します。

実際には、質問と回答を一覧にまとめた文書や資料を指すことが多く、官公庁や企業では「質疑回答書」「質疑回答一覧」「質疑回答集」といった名称でよく使用されています。

特に公共工事や入札では、参加者から寄せられた質問と、それに対する発注者の回答をまとめた文書を「質疑回答書」と呼ぶのが一般的です。また、社内マニュアルや問い合わせ対応を整理した資料でも、「質疑回答」という表現が使われることがあります。

つまり、「質疑回答」は質問と回答の内容や記録に重点を置いた言葉であり、実際のやり取りよりも、整理された結果を表す場合に用いられるのが特徴です。

「質疑回答」の例文

  1. 入札に関する質疑回答が公開され、参加者は内容を確認した。
  2. 担当部署は、質疑回答を一覧にまとめて社内へ共有した。
  3. 説明会後の質疑回答は、後日資料として配布された。
  4. 問い合わせ内容を質疑回答集に整理し、業務へ活用している。
  5. 発注者は、寄せられた質問への質疑回答をホームページで公表した。

「質疑応答」の意味

質疑応答(しつぎおうとう)」とは、質問する側と回答する側が、質問と回答を交わす一連のやり取りを指す言葉です。

「応答」は、相手からの問いかけや呼びかけに応じて受け答えをすることを意味します。そのため、「質疑応答」は質問と回答の内容だけではなく、実際に受け答えを行う場面や過程まで含めた表現になります。

たとえば、会議や講演会、説明会、記者会見などでは、発表の後に「質疑応答の時間」が設けられることがよくあります。この場合は、参加者が質問し、発表者が回答するやり取り全体を表しています。質問が一回だけで終わる場合もあれば、追加の質問が続く場合もありますが、いずれも「質疑応答」と呼ばれます。

このように、「質疑応答」は質問と回答を交わす過程やコミュニケーションに重点を置く言葉です。そのため、実際の会話や議論の場面で使われることが多く、「質疑回答」よりも日常的に目にする機会が多い表現といえるでしょう。

「質疑応答」の例文

  1. 講演の終了後に、質疑応答の時間が設けられた。
  2. 会議では、参加者との質疑応答が活発に行われた。
  3. 記者会見の最後は、質疑応答で締めくくられた。
  4. 説明会では、十分な質疑応答の時間が確保されていた。
  5. 発表内容について、参加者と質疑応答を重ね、理解を深めた。

「質疑回答」と「質疑応答」の違い

「質疑回答」と「質疑応答」の違いは、次のように整理することができます。

項目質疑回答質疑応答
意味質問とそれに対する回答、質問と回答をまとめた内容質問と回答を交わす一連のやり取り
重視するもの回答内容や記録やり取りやコミュニケーションの過程
主な使用場面入札資料、質疑回答書、FAQ、問い合わせ対応会議、講演会、説明会、記者会見
形式文書や資料として整理されることが多い会話や対話の場面で使われることが多い
ニュアンス質問と回答の結果を表す質問と回答を行う行為を表す

「質疑回答」と「質疑応答」は、どちらも質問に関係する言葉ですが、最も大きな違いは何に重点を置いているかです。

「質疑回答」は、質問とその回答という結果を表す言葉です。そのため、質問内容と回答内容を整理した文書や資料の名称として使われることが多く、官公庁や企業では「質疑回答書」「質疑回答一覧」といった表現をよく見かけます。実際の会話ではなく、後から内容を確認できるようにまとめた記録という意味合いが強いのが特徴です。

一方、「質疑応答」は、質問する人と回答する人が受け答えをする過程を表します。会議や説明会、講演会などで「質疑応答の時間」が設けられるのは、参加者と登壇者が実際に質問と回答を交わす場面だからです。質問が一度だけで終わる場合でも、複数回にわたって続く場合でも、受け答えを行うこと自体を「質疑応答」と呼びます。

また、「回答」は質問に対して答えることを意味するのに対し、「応答」は相手からの問いかけや呼びかけに応じて受け答えをすることを意味します。この語の違いが、それぞれのニュアンスにも表れています。「回答」は答えそのものを重視し、「応答」は相手とのやり取りを重視する言葉です。

つまり、「質問と回答をまとめた資料」なら「質疑回答」、「質問と回答を交わす場面」なら「質疑応答」を使うのが適切です。この違いを理解しておけば、ビジネス文書や公的な資料だけでなく、会議やプレゼンテーションなどでも状況に応じて自然に使い分けられるようになるでしょう。

「質疑回答」と「質疑応答」の使い分け

それでは、実際に両者をどのように使い分ければよいのでしょうか?以下に、場面ごとの使い分け方を簡単に示します。

①質問と回答を文書としてまとめる場合⇒「質疑回答」

質問と回答を整理して記録するときは、「質疑回答」を使います。入札資料や社内資料、問い合わせ一覧など、回答内容を後から確認できる文書では、この表現が適しています。

②会議や講演で受け答えを行う場合⇒「質疑応答」

質問者と回答者が実際に受け答えをするときは、「質疑応答」を使います。会議や説明会、講演会などでは、質問と回答のやり取り全体を表す言葉として用いられます。

③質問への回答内容を公開する場合⇒「質疑回答」

質問への回答をホームページや資料などで公表するときは、「質疑回答」を使います。実際のやり取りではなく、質問と回答を対応させた内容を示す場合に自然な表現となります。

まとめ

この記事では、「質疑回答」と「質疑応答」の違いを解説しました。

「質疑回答」は質問と回答の内容や記録を表し、主に文書や資料の名称として使われます。一方、「質疑応答」は質問と回答を交わすやり取りや、その過程を表す言葉で、会議や講演会などの場面で広く用いられます。

それぞれが重視するポイントの違いを理解し、場面に応じて適切に使い分けることで、より正確で分かりやすい文章や会話ができるようになるでしょう。

この記事を書いた人

大学卒業後、出版会社へと就職。退職後はフリーライターとして独立し、現在は言葉の意味や違いなど、日々の生活やビジネスに役立つ情報を発信しています。皆さんに「なるほど」と思ってもらえる内容をお届けすることを心がけています。




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