「書類送検」と「逮捕」の違いは?意味と使い分けを解説

「書類送検」と「逮捕」は、どちらも事件や犯罪に関わる場面で使われる言葉です。しかし、ニュースなどで見聞きする一方で、その違いを正確に説明できる人は多くありません。

使われ方が似ているため、意味を混同してしまうことも少なくないでしょう。本記事では、「書類送検」と「逮捕」の意味や違いを、具体例を交えながらわかりやすく解説していきます。

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目次

「書類送検」の意味

書類送検(しょるいそうけん)」とは、警察が捜査した事件について、被疑者の身柄を拘束せず、捜査書類や証拠のみを検察官に送る手続きを指します。

これは刑事手続きの一つであり、正式には「送致」と呼ばれますが、一般的には書類送検という表現が使われます。

書類送検の大きな特徴は、被疑者が逮捕されず、在宅のまま捜査が進められる点です。警察の呼び出しには応じる必要がありますが、日常生活を続けながら調査を受けます。

比較的軽微な事件や、逃亡や証拠隠滅のおそれが低いと判断された場合に選ばれることが多いです。

なお、書類送検されたからといって、必ず起訴されるわけではありません。検察官が内容を精査した結果、不起訴になるケースも多くあります。


「書類送検」の例文

  1. 会社員の男性は、交通違反の疑いで書類送検された。
  2. 警察は、業務上のミスについて関係者を書類送検する方針を示した。
  3. 学校でのトラブルについて、担当者は在宅のまま書類送検された。
  4. その事件では、容疑者全員が書類送検され、身柄拘束は行われなかった。
  5. 未成年が関わった事案は、保護者立ち会いのもと書類送検で処理された。

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「逮捕」の意味

逮捕(たいほ)」とは、犯罪の疑いがある人の身柄を、法律に基づいて強制的に拘束する手続きを指します。警察官が令状を持って行う場合が一般的ですが、緊急時には現行犯逮捕なども認められています。

逮捕されると、被疑者は警察署などに留置され、一定期間、身体の自由が制限されます。これは逃亡や証拠隠滅を防ぎ、適正な捜査を行うための措置です。特に、重大な犯罪や悪質性が高い事件で行われやすい傾向があります。

ただし、逮捕はあくまで捜査段階の手続きであり、逮捕されたこと自体が有罪を意味するわけではありません。その後の取り調べや裁判を経て、最終的な判断が下されます。


「逮捕」の例文

  1. 警察は、現場で逃走しようとした男を逮捕した。
  2. 容疑が固まったため、捜査当局は被疑者を逮捕する方針を決めた。
  3. 深夜の事件で、関係者の一人がその場で逮捕された。
  4. 重大な被害が出たことから、警察は速やかに逮捕に踏み切った。
  5. 逃亡のおそれがあるとして、裁判所の令状により逮捕が行われた。

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「書類送検」と「逮捕」の違い

「書類送検」と「逮捕」の違いは、次のように整理することができます。

項目書類送検逮捕
身柄拘束なしあり
被疑者の状態在宅のまま捜査留置される
主な対象軽微な事件重大・緊急性の高い事件
日常生活継続可能大きく制限される
有罪との関係直接関係なし直接関係なし

「書類送検」と「逮捕」は、いずれも犯罪の疑いがある人を検察に送る手続きですが、身柄を拘束するかどうかという点で大きく異なります。

「書類送検」は、警察が捜査を行った結果、被疑者の身柄を拘束せず、捜査書類や証拠のみを検察官に送致する手続きです。被疑者は在宅のまま捜査を受けるため、日常生活を続けながら呼び出しに応じます。比較的軽微な事件や、逃亡・証拠隠滅のおそれが低い場合に選ばれます。

一方、「逮捕」は、被疑者の身柄を強制的に拘束する手続きです。逮捕後は警察署などに留置され、一定期間、身体の自由が制限されます。重大犯罪や、逃亡・証拠隠滅のおそれがある場合に行われます。逮捕そのものが有罪を意味するわけではありませんが、社会的影響は大きくなりがちです。

つまり、両者の違いは処分の重さではなく、捜査段階で身体拘束があるかどうかにあります。なお、どちらの場合でも、その後に起訴されるかどうかは検察の判断によります。


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「書類送検」と「逮捕」の使い分け

それでは、実際に両者をどのように使い分ければよいのでしょうか?以下に、場面ごとの使い分け方を簡単に示します。

① 身柄を拘束しない場合 ⇒「書類送検」

逃亡や証拠隠滅のおそれが低いときは「書類送検」を使います。在宅のまま捜査が行われる点を強調したい場合にも適しています。

② 身体の自由が制限される場合 ⇒「逮捕」

警察が被疑者の身柄を拘束した事実を示すときは「逮捕」を使います。特に、緊急性や重大性が高い事件では、この表現が選ばれます。

③ ニュースや報道での区別 ⇒「書類送検」or「逮捕」

報道では、処分の重さではなく手続きの違いで使い分けます。身柄拘束があれば「逮捕」、なければ「書類送検」と表現されます。

※「書類送検=軽い処分」「逮捕=有罪確定」と誤解されがちですが、どちらも捜査段階の用語であり、罪の確定とは直接関係しない点に注意が必要です。


まとめ

本記事では、「書類送検」と「逮捕」の違いを解説しました。両者は似たイメージの言葉ですが、「身柄拘束の有無」という大きな違いがあります。

それぞれの意味を正確に理解した上で、使い分けをすることが重要です。

今回のような、ニュースや報道関係の用語は混同しやすいものが多くあります。実際のニュースを正しく読み解きたい方は、以下の記事も合わせてチェックしておくと安心です。

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この記事を書いた人

大学卒業後、出版会社へと就職。退職後はフリーライターとして独立し、現在は言葉の意味や違いなど、日々の生活やビジネスに役立つ情報を発信しています。皆さんに「なるほど」と思ってもらえる内容をお届けすることを心がけています。

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