「蔦(つた)」と「蔓(つる)」の違いは?意味と使い分けを解説

「つた」と「つる」は、どちらも植物が伸びたり絡まったりする場面で使われる言葉です。しかし、見た目が似ていることから、同じ意味だと思われることも少なくありません。

文章を書くときや植物について説明するときには、それぞれの意味を正しく理解しておくことが大切です。本記事ではそれぞれの違いを、具体例を交えてわかりやすく解説していきます。

目次

「つた」の意味

つた」とは、他の植物や建物の壁などに絡み付いたり付着したりしながら成長する植物を指す言葉です。漢字では「蔦」と書きます。

一般に、つたと呼ばれる植物の多くは蔓性木本(まんせいもくほん)に分類されます。「蔓性」とは、つる状に伸びる性質、「木本」とは茎や幹が木のように硬くなる植物を意味します。

つたの特徴は、自立してまっすぐ伸びるのではなく、周囲の物を支えにして成長することです。そのため、樹木やフェンス、壁面などを覆うように広がる姿がよく見られます。

代表的なものとしてはツタ(ナツヅタ)やキヅタなどがあり、特にツタは建物の壁面を覆う植物として知られています。また、秋には葉が赤く色づくため、観賞用としても親しまれています。

なお、「つた」は植物そのものを表す言葉であり、葉や茎などの植物の部位を指す言葉ではありません。そのため、「つたが伸びる」「つたが壁を覆う」のように使います。

このように、「つた」とは周囲の物に絡み付きながら成長する植物を指す言葉です。

「つた」の例文

  1. 古い洋館の壁を、つたが覆い尽くし、趣のある景観を作っていた。
  2. 庭の塀には、つたが美しく広がり、季節ごとに表情を変える。
  3. 秋になると、校舎の外壁を彩るつたが鮮やかに紅葉した。
  4. 公園の東側では、長年育ったつたが樹木に絡み付いている。
  5. 石垣の表面を、青々としたつたが覆い、涼しげな印象を与えた。

「つる」の意味

つる」とは、植物が他の物に絡み付きながら伸びる細長い茎や枝のことです。

漢字では「蔓」と書きます。つる植物の多くは、自力でまっすぐ立ち続けることが難しいため、支柱や木、フェンスなどに巻き付いたり付着したりしながら成長します。その際に伸びる細長い部分が「つる」です。

アサガオ、キュウリ、ヘチマ、フジ、ブドウなどは代表的なつる植物として知られています。これらの植物は種類こそ異なりますが、いずれもつるを伸ばして成長するという共通点があります。

なお、「つる」は植物名ではありません。植物の一部分や成長の特徴を表す言葉です。そのため、「つるが伸びる」「つるを支柱に巻き付ける」といった使い方をします。

このように、「つる」は植物そのものではなく、植物が持つ細長い茎や枝を表す語です。

「つる」の例文

  1. キュウリのつるが支柱に巻き付き、順調に成長を続けている。
  2. 畑では、長く伸びたつるがネット全体に広がっていた。
  3. 強風の影響で、アサガオのつるが支柱から外れてしまった。
  4. 温室の中では、ブドウのつるが天井近くまで伸びている。
  5. フェンスに絡んだつるが密集し、通路が見えにくくなった。

「つた」と「つる」の違い

「つた」と「つる」の違いは、次のように整理することができます。

項目つたつる
意味ツタやキヅタなどの植物他の物に絡みながら伸びる茎や枝
分類植物名・植物群植物の部位や形態
漢字
つたが壁を覆うつるが支柱に巻き付く
関係つたにもつるがあるつる植物すべてがつたではない

両者の最も大きな違いは、「植物そのものを指すか」「植物の一部分を指すか」という点にあります。

「つた」は植物の名前や植物の仲間を表す言葉です。一方の「つる」は、植物が他の物に絡みながら成長するための細長い茎や枝を意味します。

そのため、「つたにはつるがある」という表現は成立します。しかし、「つるはつたである」という表現は成立しません。なぜなら、つるは植物の部位であり、植物名ではないからです。

また、アサガオやキュウリ、ヘチマなどはつるを持っていますが、これらはツタではありません。つまり、つるを持つ植物は数多く存在するものの、そのすべてがつたに分類されるわけではないのです。

日常会話では両者が混同されることがありますが、厳密には役割が異なります。植物の種類について話しているのか、それとも植物の伸び方や茎について話しているのかを意識すると、使い分けがしやすくなるでしょう。

「つた」と「つる」の使い分け

それでは、実際に両者をどのように使い分ければよいのでしょうか?以下に、場面ごとの使い分け方を簡単に示します。

①植物の種類を指す場合⇒「つた」

植物そのものの名前を表したいときは「つた」を使います。壁や樹木に付着して育つ植物について説明するときに適した表現です。

②細長い茎を指す場合⇒「つる」

植物が伸ばす細長い茎や枝を表すときは「つる」を使います。アサガオやキュウリなどの成長の様子を説明する場面でよく用いられます。

③植物の成長の特徴を説明する場合⇒「つる」

他の物に絡み付きながら伸びる性質を表したいときは「つる」を使います。植物名ではなく、伸び方や構造に注目した表現になります。

まとめ

この記事では、「つた」と「つる」の違いを解説しました。

「つた」はツタやキヅタなどの植物を指す言葉であり、植物名や植物群を表します。一方の「つる」は植物が他の物に絡みながら伸びる細長い茎や枝を意味する言葉です。

植物そのものを指すのか、それとも植物の部位や特徴を指すのかを意識すると、両者を正しく使い分けられるようになるでしょう。

この記事を書いた人

大学卒業後、出版会社へと就職。退職後はフリーライターとして独立し、現在は言葉の意味や違いなど、日々の生活やビジネスに役立つ情報を発信しています。皆さんに「なるほど」と思ってもらえる内容をお届けすることを心がけています。




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