「可決」と「承認」の違いとは?意味と使い分けを解説

「可決」と「承認」は、どちらも会議や組織の意思決定の場面で使われる言葉です。しかし、似たような場面で使われるため、意味の違いが分かりにくいと感じる人も少なくありません。

ニュースや株主総会、取締役会などで見聞きする機会は多いものの、実際には対象や使われ方に明確な違いがあります。本記事ではそれぞれの意味を、具体例を交えてわかりやすく解説していきます。

目次

「可決」の意味

可決(かけつ)」とは、会議や議会で提出された議案について、賛成多数によって正式に採用・決定されることを意味します。

「可」という漢字には「よいと認める」という意味があり、「決」には「決定する」という意味があります。そのため、「可決」は文字どおり「よいと認めて決定すること」を表しています。

可決は主に国会、地方議会、株主総会、取締役会などで使われる言葉です。会議の参加者が賛成・反対の意思を示し、その結果として議案が成立した場合に用いられます。

なお、可決は単に賛成することを指すのではなく、多数決などの採決を経て正式な決定となった状態を表す点が特徴です。そのため、「予算案を可決する」「法案が可決される」のように、議案や提案そのものを対象として使われます。反対に、採決の結果成立しなかった場合は「否決」と表現されます。

「可決」の例文

  1. 市議会では、新年度予算案が賛成多数により可決された。
  2. 本会議に提出された法案は、慎重審議の末に可決された。
  3. 株主総会では、役員選任議案が問題なく可決された。
  4. 提案された規約改正案は、反対意見もあったが可決された。
  5. 理事会で審議された新制度の導入案が無事に可決された。

「承認」の意味

承認(しょうにん)」とは、ある内容や行為について正当であると認めたり、同意したりすることを意味します。

「承」には「受け入れる」「引き受ける」という意味があり、「認」には「認める」という意味があります。そのため、「承認」は相手の申し出や内容を認めて受け入れることを表す言葉です。

承認は会議の場面だけでなく、日常生活やビジネスでも幅広く使われます。申請書や企画書を認める場合や、上司が部下の申請に同意する場合などにも用いられます。また、法律分野では国家や政府の地位を認める意味で使われることもあります。

可決が採決による決定を表すのに対し、承認は「認めること」そのものに重点があります。そのため、「休暇申請を承認する」「決算書を承認する」「計画を承認する」といった形で使われることが一般的です。

「承認」の例文

  1. 部長は、提出された出張申請書を内容確認後に承認した。
  2. 理事会では、前年度の事業報告書が正式に承認された。
  3. 上司の承認を得てから、新しい企画を進める予定だ。
  4. 申請内容に問題がなかったため、その場で承認された。
  5. 株主総会において、決算書類が最終的に承認された。

「可決」と「承認」の違い

「可決」と「承認」の違いは、次のように整理することができます。

項目可決承認
意味議案を正式に決定すること内容を認めること
主な場面株主総会・議会・取締役会会議・申請・許可・行政手続き
必ず採決が必要か必要不要な場合もある
対象議案・法案・予算案など申請・計画・報告・決算書など
反対語否決不承認

両者はどちらも「よいと認める」という共通点がありますが、意味の中心となる部分が異なります。

可決は、会議などで採決を行った結果として議案が成立した状態を表します。つまり、重要なのは「正式な決定がなされた」という点です。そのため、対象となるのは法案や予算案、役員選任案などの議案です。

一方の承認は、内容や行為を認めること自体を意味します。採決を伴う場合もありますが、必ずしも多数決が必要なわけではありません。上司が休暇申請を認める場合や、会社が企画書を認める場合にも承認という言葉が使われます。

また、実務では両方の言葉が同時に使われることがあります。たとえば、株主総会で「決算書承認の件」という議案が提出された場合、採決の結果として議案は可決されます。そして、その結果として決算書が承認されます。

つまり、「可決」は議案に対して使われる言葉であり、「承認」は内容や行為に対して使われる言葉です。同じ出来事でも見る対象によって表現が変わるのです。この違いを理解すると、ニュースや会議資料の内容もより正確に読み取れるようになります。

「可決」と「承認」の使い分け

それでは、実際に両者をどのように使い分ければよいのでしょうか?以下に、場面ごとの使い分け方を簡単に示します。

①議案が正式に成立した場合⇒「可決」

議会や会議で議案が成立したときは「可決」を使います。採決の結果として正式な決定になったことを表現する言葉です。

②申請や計画を認める場合⇒「承認」

申請書や企画書などの内容を認めるときは「承認」を使います。多数決の有無に関係なく、相手の申し出に同意する場面で用いられます。

③会議で承認事項を決定する場合⇒「可決」と「承認」

承認を目的とした議案が採決されたときは両方の言葉を使います。議案は可決され、その結果として対象となる内容が承認されたと表現できます。

まとめ

この記事では、「可決」と「承認」の違いを解説しました。

可決は会議などで議案が採決され、正式に成立することを意味します。承認は内容や行為を認めたり同意したりすることを表す言葉です。

両者は似ていますが対象や使われる場面が異なるため、文脈に応じて正しく使い分けることが大切です。

この記事を書いた人

大学卒業後、出版会社へと就職。退職後はフリーライターとして独立し、現在は言葉の意味や違いなど、日々の生活やビジネスに役立つ情報を発信しています。皆さんに「なるほど」と思ってもらえる内容をお届けすることを心がけています。




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