(有)と有限会社の違いとは?意味や使い方をわかりやすく解説

「(有)○○商店」や「有限会社○○商店」という表記を見たことがある人は多いでしょう。しかし、「(有)」と「有限会社」は何が違うのか、正確に説明できる人は意外と少ないかもしれません。

見た目が異なるため別の会社形態だと思われることがありますが、実際にはそうではありません。また、有限会社という制度には現在の会社法とも関わる歴史的な背景があります。

この記事では、「(有)」と「有限会社」の違いをわかりやすく解説するとともに、有限会社制度の概要や実務上の使い方についても詳しく紹介します。

目次

(有)と「有限会社」の違い

結論からいうと、「(有)」と「有限会社」に意味の違いはありません。

「(有)」は「有限会社」を省略して表記した略称です。

例えば、

  • 有限会社山田商店
  • (有)山田商店

はどちらも同じ会社を指しています。

つまり、「有限会社」が正式な表記であり、「(有)」は簡略化した表記です。これは株式会社を「(株)」と表記するのと同じ考え方です。

日常生活では、「(有)」と「有限会社」が別の会社形態だと思われることがあります。しかし、両者の違いは表記方法だけであり、会社としての法的な地位や権利義務に違いはありません。

よって、両者の違いを表にまとめると次のようになります。

項目(有)有限会社
意味有限会社の略称正式名称
法的な違いなしなし
使用場面名刺・看板・伝票など契約書・登記書類など
会社形態有限会社有限会社

したがって、「(有)と有限会社は別の会社形態である」という理解は誤りです。

「有限会社」とは何か

有限会社」とは、かつて日本で認められていた会社形態の一つです。

有限会社は、有限会社法に基づいて設立されていた法人であり、中小企業や家族経営の会社を中心に広く利用されていました。

しかし、2006年に会社法が施行されたことで制度が見直され、新たに有限会社を設立することはできなくなりました。

現在新設できる主な会社形態は次のとおりです。

  • 株式会社
  • 合同会社

一方、2006年以前から存在していた有限会社は、そのまま存続することが認められています。これらは一般的に「特例有限会社」と呼ばれています。

そのため、現在も街中で「有限会社○○」という会社を見かけますが、それらはすべて会社法施行以前に設立された会社です。

なお、有限会社の多くは現在も有限会社のまま営業していますが、必要に応じて株式会社へ変更することも可能です。

(有)と「有限会社」の使い方と例文

「(有)」と「有限会社」は意味が同じであるため、使い分けは主に表記の長さや場面によって決まります。

正式な契約書や登記関係の書類では「有限会社」と記載するのが一般的です。一方で、看板や名刺などでは省スペース化のために「(有)」が使われることがあります。

以下の例文で使い方を確認してみましょう。

「(有)」を使った例文

  • (有)田中工業は創業から50年以上の歴史があります。
  • 名刺には(有)鈴木商会と記載されています。
  • 配送伝票には(有)山本運輸と印字されていました。
  • 看板には(有)佐藤建設と表示されています。
  • 取引先一覧には(有)高橋製作所と記載されていました。

「有限会社」を使った例文

  • 本日、有限会社山田商店と契約を締結しました。
  • 登記簿には有限会社中村企画と記載されています。
  • 有限会社田村設備は、地域密着型の企業で知られています。
  • 正式名称は、有限会社石川工業です。
  • 書類には有限会社小林印刷と記入してください。

このように、どちらを使っても指している会社は同じです。

実務で注意したいポイント

「(有)」と「有限会社」に意味の違いはありませんが、実務上は正式名称を確認することが重要です。

例えば、契約書を作成する際に、相手方の正式商号を誤って記載すると、後々の手続きで修正が必要になる場合があります。

会社名を確認するときは、以下の点に注意しましょう。

  • 契約書には正式商号を記載する
  • 登記情報で正式名称を確認する
  • 銀行口座名義と会社名を一致させる
  • 請求書や領収書も正式名称を使用する

また、「(有)」という表記を見た場合、その会社は比較的歴史の長い企業である可能性があります。なぜなら、現在は有限会社を新設できないためです。

ただし、「(有)」と記載されていても、正式な場面では登記上の名称を確認することが大切です。ビジネス文書では略称よりも正式名称を優先することで、誤解やトラブルを防ぐことができます。

まとめ

本記事の内容をまとめると、以下のようになります。

項目内容
(有)の意味有限会社の略称
有限会社の意味正式な会社形態
意味の違いなし
法的な違いなし
現在の設立新規設立不可
現存する有限会社特例有限会社として存続
主な使用場面(有)は略記、有限会社は正式表記
実務上の注意点契約書や登記では正式名称を使用する

「(有)」と「有限会社」は別物ではなく、正式表記か略記かという違いしかありません。 「(有)」は有限会社を省略した表現であり、会社形態そのものは同じです。

また、有限会社は2006年の会社法施行以降、新たに設立できなくなりました。そのため、現在存在する有限会社はすべて会社法施行前から存続している会社です。

会社名を目にした際は、「(有)」と「有限会社」の違いを正しく理解し、契約書や公的書類では正式名称を使用するよう心がけましょう。

この記事を書いた人

大学卒業後、出版会社へと就職。退職後はフリーライターとして独立し、現在は言葉の意味や違いなど、日々の生活やビジネスに役立つ情報を発信しています。皆さんに「なるほど」と思ってもらえる内容をお届けすることを心がけています。




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