「とる」と「取る」の使い分けや違い|公用文の正しい表記を解説

文章を書いていると、「手続きをとる」「資格を取る」のように、「とる」をひらがなで書くべきか、漢字で書くべきか迷うことはありませんか。実は、「とる」は意味によって表記を使い分けるのが一般的です。

普段は何気なく使っている言葉でも、公用文やビジネス文書では表記に一定のルールがあります。この記事では、公用文の考え方をもとに、「とる」と「取る」の違いや正しい使い分けをわかりやすく解説します。

目次

「とる」と「取る」の違い

「とる」と「取る」の違いは、取得・獲得する意味か、それ以外の意味かにあります。

公用文では、漢字の使い方について「常用漢字表」と「公用文における漢字使用等について」が判断基準となっています。基本的には、常用漢字表にある漢字は漢字で表記するのが原則です。

しかし、「とる」は実際の公用文では意味によって表記を使い分けることが一般的です。

具体的には、何かを手に入れる、獲得するという意味なら「取る」を用います。一方で、手続きや対応、措置など、行動や方法を表す場合は「とる」とひらがなで書くのが一般的です。

例えば、「資格を取る」は資格を取得することなので漢字を使います。一方、「対応をとる」は対応という行動を行うことを意味するため、ひらがなで表記します。

つまり、「手に入れる」という意味か、「何らかの行動を行う」という意味かを考えると、適切な表記を判断しやすくなります。

公用文での使い分け

公用文では、意味による使い分けが慣例として定着しています。

「取る」は、取得・獲得を意味する場合に使われます。免許や資格、賞など、形のあるものだけでなく、地位や権利などを得る場合も含まれます。

一方、「とる」は、何らかの方法や行動を実行する場合に用いられます。手続をとる、措置をとる、対応をとる、連絡をとるなどが代表例です。

このような表記は、公用文だけでなく、多くの行政文書やビジネス文書でも採用されています。そのため、公的な文章を書く機会がある場合は、この使い分けを知っておくと読みやすく統一感のある文章になります。

なお、「とる」という言葉には非常に多くの意味がありますが、公用文では「取得する意味かどうか」を一つの目安にすると判断しやすくなります。

「とる」と「取る」の例文

実際の使い方を例文で見てみましょう。

「とる」を使う例

  1. 出席できない場合は、事前に手続をとる必要があります。
  2. 問題が発生したため、速やかに対応をとることにしました。
  3. 安全のため、必要な措置をとるよう求められています。
  4. 関係部署と連絡をとるよう担当者へ伝えました。
  5. 被害を防ぐため、適切な対策をとることが重要です。

「取る」を使う例

  1. 来年までに国家資格を取ることを目標にしています。
  2. 大学在学中に運転免許を取る予定です。
  3. 努力を重ねて最優秀賞を取ることができました。
  4. 試験に合格して必要な認定を取ることができました。
  5. 実務経験を積みながら専門資格を取る人も多くいます。

迷いやすいケース

「とる」は意味が幅広いため、迷う場面も少なくありません。

例えば、「連絡を取る」という表記を見かけることがありますが、公用文では「連絡をとる」とひらがなで書くのが一般的です。同様に、「手段をとる」「措置をとる」「対応をとる」なども、取得ではなく行動を表すため、ひらがなで表記します。

一方、「点数を取る」「契約を取る」「注文を取る」などは、成果や対象を獲得する意味が含まれるため、「取る」と漢字で書くのが自然です。

判断に迷ったときは、「手に入れる」「獲得する」と言い換えられるかどうかを考えてみましょう。言い換えられる場合は「取る」、言い換えられない場合は「とる」と考えると、多くのケースで適切な表記を選べます。

もちろん、一般の小説やエッセイなどでは、読みやすさや表現上の理由から、あえてひらがなで統一することもあります。しかし、公用文やビジネス文書では、意味に応じた使い分けを意識することが大切です。

まとめ

本記事の内容をまとめると、以下のようになります。

表記使う場面
とる手続き・対応・措置・連絡など、取得以外の意味手続をとる、対応をとる、措置をとる、連絡をとる、対策をとる
取る資格・免許・賞などを取得・獲得する意味資格を取る、免許を取る、賞を取る、契約を取る、注文を取る

「とる」と「取る」は、取得・獲得する意味なら「取る」、それ以外の行動や手続を表す場合は「とる」と使い分けるのが、公用文における一般的な考え方です。

文章を書く際は、「何かを手に入れる意味なのか、それとも行動を表しているのか」を意識すると、迷わず適切な表記を選べるようになります。特に公用文やビジネス文書では、この使い分けを知っておくことで、より正確で読みやすい文章を書くことができます。

この記事を書いた人

大学卒業後、出版会社へと就職。退職後はフリーライターとして独立し、現在は言葉の意味や違いなど、日々の生活やビジネスに役立つ情報を発信しています。皆さんに「なるほど」と思ってもらえる内容をお届けすることを心がけています。




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